ブラジル/ブラジルの観光

世界遺産ブラジリア 巨匠ニーマイヤーの建築巡り

首都ブラジリアは、建築界の巨匠オスカー・ニーマイヤーの個性ある建物で溢れています。圧倒的な外観に感動した後は、デザイン性の高い内観や家具、美術品の見学を楽しんでみてくださいね。

山本 綾子

執筆者:山本 綾子

ブラジルガイド

オスカー・ニーマイヤー建築の内部見学

2015年、東京都現代美術館では、「オスカー・ニーマイヤー展」が開催されました。「ブラジルの世界遺産を作った男」と副題にありましたが、その世界遺産とはまさにブラジリアのこと。

>>>前人未踏の計画都市!ブラジリアの情報はこちらから

ブラジルは、今から55年前の1960年、沿岸部のリオデジャネイロから内陸のブラジリアに遷都しました。街中に点在する多くの政府機関や美術館などの巨大な建物は、ニーマイヤー氏の設計によるものです。中でも、ニーマイヤーの代表作といわれ、首都の象徴的な建築物である国会議事堂、最高裁判所、大統領府などは決まった日時に足を運べば、なんと誰でも無料で内部見学ができます。

内部見学では親切なガイドさんの案内の下、一般人がこんなところまで入っていいの?とこちらが心配してしまうほどオープン。ガイドツアーは基本的にポルトガル語ですが、言葉が分からなくても、建物内のデザインや美術品、さらに予想以上に開かれたブラジル政府に懐の深さ(?)に感動すること間違いなしです。


国会議事堂(正式には連邦議会)

写真向かって左が上院、右が下院。上院が法制度に従って統括する役割から器が下向き、下院が国民の声を広く聞き入れる役割から器が上向き、と言われています。中央の高いビル2本はそれぞれの議員会館などが入っています。
国会議事堂の外観

国会議事堂の外観

さて、内部見学をするには、まず中央の白い舗装の真下、一階部分にある入り口に向かいましょう。セキュリティーを通って、内部に入ると、左手に小さな上院議会の博物館があります。歴代上院議長の肖像画や、リオデジャネイロが首都であった時代に使われていた議会の備品など、貴重なものが多数展示されています。ガイドツアーの前後に自由に見学できます。
上院議会の歴史博物館

上院議会の歴史博物館

入り口右手の下院議会受付では、日本語のパンフレット「国会を知る」をひっそりと配布しています。ぜひ聞いてみてくださいね。

ガイドツアーでは、まず下院議会の貴賓室に案内され、ブラジリア遷都時のビデオ(英語字幕あり)をみた後、上院と下院の間にある緑の広間に移ります。左手の青と白の壁は、モダンタイルデザイナーのアットス・ブウカォン作のタイル壁。その他、多くのブラジルを代表するアーティストの彫刻や絵画が展示されています。

アットス・ブウカォンについては、こちらの記事もあわせてご参考ください>>>デザインの街で発見!ブラジリア土産におすすめの雑貨
緑の広間undefined手前の椅子はニーマイヤー・デザイン

緑の広間 手前の椅子はニーマイヤー・デザイン

下院本会議場

下院本会議場

その後、上院議会内や各国要人からの贈呈品展示コーナーなどを見学します。日本からの贈呈品も1点あります。見つけてみてくださいね!

<DATA>
■国会議事堂
住所:Praça dos Três Poderes
TEL:(61)3303-4671、(61)3216-1768
一般公開見学:原則毎日 8時半~17時半、無料
※火曜~木曜日は事前に要予約。週末と祝日は予約不要、約30分毎にガイドツアー(ポルトガル語)を行っています(約40分間)。なお、平日は、Tシャツ、タンクトップ、短パン、ミニスカート、サンダルは禁止(12歳以下は服装制限なし)。


最高裁判所(正式には連邦最高裁判所)

国会議事堂の背後には三権広場があり、右手が最高裁判所、左手が大統領府です。似たような建物ですが、最高裁判所は手前に佇む「目隠しの像」が目印です。公平な裁判を意味しています。
最高裁判所と目隠しの像

最高裁判所と目隠しの像

こちらも約30分置きにガイドツアーがあり、ブラジル司法に貢献した歴代の偉人の解説から、建物内の見学、大法廷まで案内してくれます。
大法廷undefined左右・背後に傍聴席があります

大法廷 左右・背後に傍聴席があります

こちらの大法廷はマスコミによるビデオ撮影、写真撮影も自由に行われ、地元テレビで放映されることも度々あります。正面壁面はアットス・ブウカォンによるデザイン。

<DATA>
■最高裁判所
住所:Praça dos Três Poderes
TEL:(61)3303-4671、(61)3216-1768
一般公開見学:土・日・祝日 10時~15時半、無料
※約30分毎にガイドツアー(ポルトガル語)を行っています(約30分間)。月曜~金曜は事前予約の団体訪問者のみ受け付け。


大統領府

最高裁判所と三権広場を挟んで向かい合っています。正面玄関には、日中、二人の儀仗兵が直立不動で護衛しています。時々、手に持った銃を使って整然とした動きをするのでお見逃しなく。ちなみに、この玄関は、各国国家元首の訪問、大統領就任式、大統領が特に認めた要人訪問の際にのみ使用されるのだとか。
大統領府undefined白いスロープが正面玄関

大統領府 白いスロープが正面玄関

建物に入る前に、まず建物内を説明した短いビデオ(英語字幕あり)を見せてくれます。ある程度の人が集まると、セキュリティーを通ってさぁ内部へ、ガイドツアーが始まります。
中央広間undefinedニーマイヤーらしい曲線スロープが印象的

中央広間 ニーマイヤーらしい曲線スロープが印象的

2階広間はニーマイヤーの他、ブラジルを代表する家具デザイナーのセルジオ・ホドリゲスの椅子も必見です。彼の作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)の常設展示品になっています。さらに、ツアー最後には、なんと大統領の執務室を見学できます。毎週日曜日、一般人がこれほど自由に内部見学できて、写真撮影も自由とはオープンですね。
大統領の執務室

大統領の執務室

<DATA>
■大統領府
住所:Praça dos Três Poderes
TEL:(61)3411-2317
一般公開見学:日曜日 9時半~14時、無料
※約30分毎にガイドツアー(ポルトガル語)を行っています。(約30分間)

 その他

■外務省
住所:Esplanada dos Ministérios, Bloco H, Eixo Monumental
一般公開見学:9時~11時、14時~17時 要事前予約。ポルトガル語の他、英語、仏語、スペイン語によるガイドツアーあり(予約の際に希望を伝える)。
TEL:(61)2030-8051

■大統領公邸
住所:Via Palácio Presidencial
一般公開見学:原則、水曜日15時~17時 13時から整理券配布(人数制限あり)。雨の日は公開なし。
TEL:(61)3411-2317


こちらの記事もあわせてご参考ください>>>ブラジリアのおすすめ観光スポット


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます