熱帯魚/熱帯魚の飼い方

ブラインシュリンプとは(3ページ目)

熱帯魚の繁殖にチャレンジする際、初期試料としてブラインシュリンプが有効。稚魚の健全な生育のためにも必須です。基本的な知識、孵化のさせ方、飼育法などをご紹介。別記事では、簡単な孵化器のDIYについても。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド


ブラインについて、更に詳しく!


ブラインシュリンプ Artemia salina(アルテミア・サリナ)は、世界各国の内陸部の塩水湖に分布する。自然下では植物プランクトンや原生動物などを捕食している。幅広い塩分濃度に適応することが知られているが、海にはまったく生息していないそうだ。捕食生物のいない、塩水湖という特殊な環境に適応している。

通常、有性生殖を行うが、環境の変化などを察知して雌だけで無性生殖を行い耐久卵も産む。この耐久卵は長期に渡って乾燥・休眠に耐えることが可能。この性質を利用して、我々は必要な時に動物性プランクトンを、魚の餌として与えることができるのだ。

分類的には、以下となる。

節足動物門 甲殻綱 鰓脚亜綱 無甲目 ホウネンエビモドキ科

ホウネンエビ
ブラインシュリンプの成体に良く似たホウネンエビ。こちらは日本の水田などで見かけることができる。
地域によって若干の差異があり、分類的には諸説ある。このことから、産地によってノープリウス幼生のサイズに違いがあり、ベトナム産のものは通常よりも小さいことが知られる。が、趣味のレベルでは、細かく産地を選択するほどの余地はないだろう。

程度は把握していないのだが、恒常的に通常流通するタイプよりも更に小さなブラインを得られるのであれば、繁殖の可能性が更に広がると個人的に感じる。

話は変わって。日本にも外観がよく似た「ホウネンエビ」が分布しているが、こちらは水田などに生息している。


栄養的にはどうなの?


淡水魚に与える場合、単食でも栄養面での問題はないと思われ、ブランシュリンプのみの給餌でも順調に成長する。ただし、海水魚に限っては、必須栄養素の一部が欠けるらしく、孵化後にある種の餌を喰わせ栄養強化してから与えることが主流になりつつある。

私の経験では、孵化後から成魚までブラインシュリンプのみを与えた場合でも、問題なく次世代まで繋ぐことはできた。少ない実績の上での検証だが、栄養的に優れたバランスだと言えるかも知れない。

グレートソルトレーク産のものが、最もポピュラー


日本の場合、主にアメリカ合衆国、タイ、中国などから輸入され、アメリカのグレートソルトレーク産のものが入荷量、品質共に優れると言われている。

2005年の国内輸入量をみると、全体として38,644kgが入荷しており、その内アメリカ合衆国からの輸入が31,358kgと、実に80%以上に及ぶ。

観賞魚用のものでも、グレートソルトレーク産のものが大勢をしめるが、中国産のものも稀に目にする。品質的には中国産のものは、劣るというのが専らの評判。

「アルテミアサリナの卵」輸入量 単位KG
  アメリカ 中国 タイ 累計
2000年 29916 8148 15504 55438
2001年 49357 2852 341 53274
2002年 65298 3500 3664 72984
2003年 28753 4919   34172
2004年 50312 563   51543
2005年 31358 516 6566 38644
参照:財務省貿易統計
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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