テクノポップ/アーティストインタヴュー

ゲツプロが考えるクラブイベントのあり方

9月23日、clubasiaにてアラフォーにも優しいデイタイム・クラブイベント「HARDFLOOR VS GEKKAN PROBOWLER 2015」を開催。ゲッカンプロボーラーのyaskikutaさんに、クラブミュージック、クラブイベントについて語っていただきました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

一人になったゲッカンプロボーラー

ガイド:
yaskikutaさん、お久し振りです。前回は、弟のHIDEさんと一緒にゲッカンプロボーラー10周年記念のお話をしていただきました。今回は、9月23日に開かれるクラブイベント「HARDFLOOR VS GEKKAN PROBOWLER」を中心にyaskikutaさんの考えるクラブミュージックについてもぜひご意見をください。

ゲッカンプロボーラー10年! (All Aboutテクノポップ)

yaskikuta:
そうですね。アルバム『TEN』リリースから約1年、ゲツプロはインタビューを受ける度にメンバーが変わってますよね(笑)。1人でお受けするのは、今回が初めて。暴言が出ないように気を付けないと。御手柔らかにどうぞ宜しくお願い致します。
gekkanprobowler

ゲッカンプロボーラー


ガイド:
ゲツプロ自体は、現在yaskikutaさん中心のユニットとなったと解釈していいのでしょうか?

yaskikuta:
はい。ゲッカンプロボーラー正式メンバーは、現在yaskikuta1人です。ただ、アルバム『TEN』リリース以降、バンド編成でのライヴにも挑戦してるんです。コーラス、ギター、パーカッション等も入れて、主にライヴハウス(デイタイム)でのステージで派手な演出をしております。バンドと言ってもドラム、ギターが中心となる、いわゆる生バンドでは全然ないです。元々のテクノサウンド(DTM機材+シンセサイザー)を軸に生演奏の味付けをして、色を添えたと思って下さい。バンドでのステージは発するパワーが違いますね。熱々です。僕もヴォーカルとしてフロントマンに専念して、お客さんに一番近い所にいれるので楽しいですよ。

ガイド:
じゃ、ソロの方はどういった方向性なのですか?

yaskikuta:
深夜ライヴはソロでやる事が多いので、ゲツプロのテクノ面を強く出してます。クラヴタイムのライヴでは、どんどんヴォーカルが減ってますね。アナログシンセを並べてインスト曲中心の機材ライヴが多いです。要は、求められている場所によってバンド(ポップ)とソロ(テクノ)を使い分けていると言った感じなんです。

ガイド:
クラブではテクノを求められるけど、ライヴハウスではそうではないのでしょうか?

yaskikuta:
テクノ(打ち込み)系のライヴハウスイベントもありますが、数はかなり少ないと思います。イベント数が少ないって事は、今それを聴く・求めるお客さんが少ないって事で間違いない。やる場がないからやらないじゃ終わりでしょ。増やす努力をしなきゃダメだよ。アーティスト数、イベント数、リスナー数、このどれかが無理してでも増えればかならず相乗効果が生まれるハズなんだ。ゲツプロは他ジャンル(ロック系とかパンク系とか)のイベントにも積極的に参加するようにしています。その場合、箱もお客さんも求めてないのに意地を張ってテクノを押し付けても、誰も喜ばないし得もしない。それよりもテクノに少しでも興味を持ってくれるように、解りやすい入口をゲツプロバンドで示せたらなって。

フェスとかライヴサーキットって打ち込みバンドと生バンドを分けて、タイムテーブル組んじゃいますよね? あれって残念なんです。ステージ転換とか客層とかを考慮しての事なんだろーけど。こっちとしては、新しいお客さんにライヴを見せたいってのが本音な訳。打ち込み好きのお客さんの前でだけライヴやるってのは安全だけど、それ以上の広がりがない。生バンドや別ジャンルのお客さんの前にも立つって事が重要なんだと考えてます。だから、今のゲツプロバンドは色々な意味で大切だと思ってる。100%テクノだけをやりたいなら日本に居る意味なんてない。さっさとドイツに行きますよ(笑)。僕はまだまだ日本のテクノシーンを信じてますよ。20年くらいその気持ちは変わってません。
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