絵本

大迫力で個性爆発の昆虫絵本『だれだかわかるかい?』

昆虫の顔を真正面から捉えたちょっと変わった写真絵本をご紹介します。クイズとともに、次々に登場するクローズアップ写真は、昆虫たちの個性を実物以上に際立たせて、まるで怪獣図鑑を見ているような迫力があります。

執筆者:大橋 悦子

虫の顔をアップにすれば、迫力満点! 個性爆発!

世界最大の蛾アトラス・モスをモデルに誕生した怪獣モスラや、バッタの能力を持つ改造人間の仮面ライダーなど、SFの世界では昆虫をモデルにした異形のヒーローがたくさん存在します。その理由を知りたいという方には、今回ご紹介する写真絵本『だれだかわかるかい?』を見ていただきましょう。昆虫の顔を真正面からアップで捉えた写真絵本は、まさに迫力満点。それぞれの昆虫たちの個性を実物以上に際立たせて、まるで怪獣図鑑を見ているような迫力があります。

こわいなんて言わないで!写真絵本『だれだかわかるかい?』

絵本『だれだかわかるかい?』の表紙画像

次々に登場する昆虫のクローズアップ写真を見れば、虫談議に花が咲く?

さて、表紙に写った昆虫ですが、誰だかわかりますか? 左手(あっ、失礼、左前足でした!)で頭を掻きながら、「いや~、どうも、どうも!」なんて調子のいい挨拶をしているようなこの虫は、クビキリギスです。1度何かに噛みつくと、首が切れても噛み続けるのでこの名前がついたそうです。そんな恐ろしい名前の由来を持つ虫ですが、その顔はちょっぴりとぼけていて愛嬌があり、人気者の芸人さんのようですね。

ところが、実際のクビキリギスは印象がまるで違います。絵本の中にはありませんが、実物は細長く引き締まった体をしており、まるでアスリートのようなのです。人間でも、付き合っていくうちに第一印象が劇的に変わる人がいますが、この絵本を見ているとクビキリギスだけでなく登場する虫たちへの印象が確実に変わっていきます。

ナナフシの画像

絵本には擬態するナナフシも登場。どんな顔をしていると思いますか?

例えば、ハエトリグモ。ハエにジャンプして襲いかかる姿は怪獣図鑑に登場するクモンガという懐かしい怪獣そのものですが、アップになった顔を見ると、オニキスのように光り輝く美しい目を持ち、その目はまるで少女マンガの主人公のようにキラキラしています。だからと言って、いきなり蜘蛛が大好きになるということはないでしょうが、虫が苦手な人でも蜘蛛を見る目がちょっぴり変わりそうですよ。

巨大生物のような迫力で読者に迫る13匹の昆虫たち。一見恐ろしそうなものもいますが、自己紹介をしながら「誰だかわかる?」と問いかける姿はみなフレンドリーで、怖いもの見たさの心理も働くためか、虫嫌いな人も気が付けば昆虫たちの世界にどっぷりはまってしまうかもしれません。

なお、以下で対象年齢を4歳くらいからとしましたが、昆虫の体の仕組み等についても説明されていますので、小学生のお子さんでも充分楽しめます。


【書籍データ】
書籍名:だれだかわかるかい? むしのかお
文/写真:今森光彦
価格:972円
出版社:福音館書店
推奨年齢:4歳くらいから
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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