靴の「色」に焦点を当てた、究極のメニュー！
藤澤氏のリカラーリングの一例です。画面向かって左が施術前、右が施術後です。色褪せてしまった靴だって、このように色を替えてしまえば第一線に復帰させることが可能。男性のみならず女性の靴好きの方に是非とも教えてあげたいメニューです。
革の色の可能性に開眼し、国内大手シューケアメーカーから2013年に独立した藤澤氏に、このお店で頼めることは主に2つ。1つ目は既に自分が所有している靴や鞄などの革製品のリカラーリング＝色の染め替えです。例えばせっかく買ったはいいけれど、嗜好が変わってしまったり色褪せてしまったりで全く履かなくなった靴などを、自分の好みの色に変化させることが可能で、紳士靴はもとより婦人靴の再生でも既に大きな評価を得ています。単に染め変えるだけでなく、つま先にメダリオンを彫ったり（飯野註：穴を開けるのとは異なります）、更にはその小さな穴にも着色するなどカスタマイズ的な工程も受け付けてくれます。
カラリストたる藤澤氏の染色は、何も靴だけに限りません。ご覧のような革小物にももちろん対応してくれます。しかもこのようにメダリオンを彫ることも可能。色だけでなく靴の雰囲気全体を変化させたい時には打ってつけのオーダーではないでしょうか。
もう一つは、藤澤氏がプロデュースするブランド・Floriwonne（フローリウォネ）の紳士靴のパターンオーダーの受付です。木型や型紙の設計にも彼が関わったこのブランドの靴の最大の特徴は、やはり選べる色が実質“無限”であること。マッケイ製法のものではプレーントウ・パンチドキャップトウ・フルブローグのいずれも内羽根式の3種類である一方、ハンドソーン・ウェルテッド製法(出し縫いのみミシンで行う「九分仕立て」と、それも手縫いで行う「フルハンドソーン」の双方が選べます）のものは潔くホールカットプレーントウのみで、どちらも彼のカラーリンング技術が映えるものが選ばれているのは言うまでもありません。もちろん靴の前後でグラデーションを付けるようなことにも応じてくれます。
リカラーリングにしても靴のパターンオーダーにしても、出したい色・蘇らせたい色の微妙なニュアンスを藤澤氏とじっくり話して決めて行く感覚は、従来のイベントでは果たし得なかった贅沢な時間となること確実です。来る2015年5月23日（土）と24日（日）にはそのキックオフイベントが開かれるとのことで（当然、藤澤氏も参加します！）、彼を既にご存知の方もそうでない方も覗いてみる価値は大いにありそうです。
Floriwonneの紳士靴のパターンオーダーの一例です。これは九分仕立てハンドソーン・ウェルテッド製法のもので、パッと見コンビシューズのように見えますが、れっきとしたホールカットプレーントウ！ 色のグラデーションで靴のデザインパターンを描いてしまう斬新さに感激です。税込価格16万2000円（ワールド フットウェア ギャラリー 神宮前店 TEL：03-3423-2021）
靴店と靴の修理店とを同居させた同社の銀座店が典型なのですが（この形態は実は未だにあまり多くない）、これまでも紳士靴店の中では新たな取り組みに積極的に取り込んで来ただけのことはあり、このWFG MAESTRO SALONでは今回ご紹介した件以外にも、靴を始めとする革製品のパーソナルな要望を満たす様々な企画が今後数々出てくる模様。中には参加者が実際に作業を体験するワークショップ的なものも出て来るかもしれません。素晴らしい作品が見られるだけでなく、作り手と履き手との距離がより接近できる、正に最先端の空間になることを期待しましょう！
【お問合せ先】
■ワールド フットウェア ギャラリー 神宮前店
住所：〒151-0001 東京都渋谷区神宮前2-17-6 神宮前ビル1F・2F
地図： Yahoo!地図情報
Tel：03-3423-2021（直通）
営業時間：11:00～20:00 年中無休
HP： World Footwear Gallery Official
