私たちの個人情報は果たして守られるのだろうか?
これらの改正は国民にどんな影響を与えるのだろうか。
個人情報保護法の改正点
大きなポイントは「情報の使いやすさ拡大」と「不正への罰則強化」だ。近年、ネット利用におけるユーザーの発言や行動が「ビッグデータ」として利用されるなど情報活用が多様化してきた。それに伴い、個人情報が漏れるリスクも高まったため、個人が特定できないよう加工したものであれば、本人の同意を得ないで事業者が第三者に提供することを可能とし、使いやすさの拡大を図った。
また、人種や信条などの情報を取得する際は、本人への同意を義務づけた。
しかしサービスの中には、業者側が指定した項目に回答(=チェックを付ける)しなければ加入できない仕様のものもあるため、これがどの程度徹底されるかどうかはわからない。
もう一つが不正への罰則強化だ。
大手教育関連企業ベネッセコーポレーションにおける顧客情報漏洩事件をきっかけに、「内部による不正」にも厳正に対処するのが主旨だ。従来は外部からの不正に対する保護が中心であったが、内部による不正が甚大な被害をもたらすことから、その対策が強化された。
マイナンバー制度では脱税防止を視野に
マイナンバー制度とはかつて「国民総背番号制度」と言われたように、国民一人に一つずつ個別の番号を付与し、社会保障や課税などの個人情報を一元管理する仕組みを指す。国によって呼び名は異なるが、概念としては「共通番号制度」のことだ。
マイナンバー制度は今年から番号の通知がはじまり、2018年に預金口座へ適用される。これは脱税を防ぐ目的だ。今後は口座開設の際にもマイナンバーが必要になるなど、国民の資産が国に対してガラス張りされることが予想される。
ところで、マイナンバー制度に関してはここからが本題である。