マーケットがカジノ事業に注目する理由とは(協力:「カジノ・ヴィーナス」)
先週も一部メディアにより、まだ決まっていないはずの誘致先として特定の自治体名が報じられたが、そうした情報が飛び交うたびにカジノ関連企業の株価が上昇する。
それはマーケットにおいて、カジノ事業がほぼ確実に利益を上げると認識されているからだ。
カジノゲームそのものはギャンブルだが、それを事業とする企業が儲かると言われる仕組みとはどんなものか。
「ゲーム」自体はギャンブルだが……
カジノゲームとは、トランプやダイス(サイコロ)あるいはルーレットなどの器具を用いて行われるゲームの結果を予測し、お金を賭ける行為である。カジノで採用されているゲームは、とりわけ「偶然」によって結果が決まる点が特徴だ。ダイスの出る目は全て偶然であるし、ルーレットで玉が落ちる数字も偶然だ。
それに対し、日本にある囲碁や将棋のようなゲームは、プレイヤーの技量によって結果が左右される性質を持つ。これを「ゲーム性が高い」と呼ぶが、そうしたゲームはカジノでは採用されない。
なぜなら能力の高いプレイヤーが常に有利となるため、カジノより強いプレイヤーが現れた場合、カジノが負ける可能性があるからだ。
そのため、カジノは「ゲーム性」が低く「偶然」によって結果が決まるゲームを採用している。
「カジノ事業」はギャンブルではない
でも、偶然によって結果が決まるなら、その偶然によってカジノが負けることがあるのではないかと思うかもしれないが、現実はそう単純ではない。仮にゲームの結果がイーブンでも、「収支」では必ずカジノが有利になるような手段が講じられているからだ。
下記の3点が主なものだ。
(1)ゲームに組み込まれた控除(ハウスエッジ)
(2)統計上の法則(大数の法則)
(3)ゲームを繰り返させるためのサービス(コンプ、VIPサービス)
では、この3つを順に説明していきたい。