スイス/スイスのグルメ・レストラン

意外な理由で入手困難!? スイスワインの基礎知識(2ページ目)

スイスワインは日本ではあまり知られていないものの、実はスイスは隠れたワイン大国です。生産量が限られているため、なかなか輸出されませんが、スイスに行った機会には希少価値のあるスイスワインを味わってみたいもの。ここではスイスワインの主な産地や注文のしかたなどを紹介します。

和田 憲明

執筆者:和田 憲明

スイスガイド

世界一小さな葡萄畑

スイスワインとチーズ

スイスワインとチーズの組み合わせが絶品

レマン湖に向かって西に流れるローヌ川沿いに、サイヨンという小さな村があります。高台に残るお城の廃墟の周りに家並みが連なる美しい村で、村の周囲には葡萄畑が広がっています。ここにはわずか3株の葡萄の木からなる世界一小さな葡萄畑があります。面積は1.6平方メートルほど。

この葡萄畑の最初のオーナーは、フランスの俳優、ジャン・ルイ・バロー。バローは贋金をつくり、貧民に配っていた民衆の英雄的存在、「ファリネ」の役を演じ、その破天荒な生き方に共鳴しました。そしてファリネが逃亡生活を送った場所がサイヨン村だったのです。

ファリネ没後100周年にあたる1980年にバローにより、ワインを愛したファリネを偲んで「平和の葡萄園」が作られました。バローの死後、社会奉仕活動に熱心な神父が受け継ぎ、2000年からチベットのダライ・ラマ法王がこの葡萄畑の所有者になっています。

ここでは世界の著名人たちが訪れ、農作業を行います。俳優のロジャー・ムーア、ジェーン・バーキン、F1ドライバーのミハエル・シューマッハ、モナコのキャロライン王女、スイスの画家ハンス・エルニ、フランスの人権活動家でミッテラン元大統領夫人のダニエル・ミッテラン、アメリカ合衆国の声楽家バーバラ・ヘンドリックスなど、著名人のリストは200人近くを数えます。

このから収穫される葡萄は、周辺地域の葡萄と合わせてワインが作られ、その売上金は恵まれない子供への寄付など、さまざまな社会奉仕活動に生かされています。


スイスワイン~注文のしかた

ファンダン

ヴェレー州では、シャスラをファンダンと呼ぶ

スイスワインは高品質で少量生産というだけあり、イタリアやフランスなどから入る格安ワインとは値段で対抗できません。しかしびっくりするほど高い最高級ワインもほとんどありません。

スイスのワイン比較的早く飲める樹種が多く、白は出来てから1~2年、赤は2~3年の間に飲みます。年代の古さを気にする必要はありません。

一定のレベル以上のレストランでは、食事のメニューとは別にワインリストを用意しています。いざワインを頼もうとリストを持ってきてもらいますが、その分厚さに圧倒されることがあります。中のページを繰っても、ドイツ語やフランス語でワインの銘柄が延々と記載され、相当のワイン通でもない限り簡単ではありません。

ハイダ

フルーティーな味わいのハイダ(ヴァレー州)

まず覚えておきたい単語です。
・ドイツ語  白ワイン Weisswein /  赤ワイン Rotwein
・フランス語   白ワイン vin blanc  /  赤ワイン vin rouge

フランスやイタリアなど、国外からのワインもリストに載っていることが多いので、スイスワインを飲みたい場合は候補から外します。

それでも種類が多すぎて選択に困る場合は、白はファンダン Fendent、赤はドール Dole を選べば、比較的リーゾナブルでスイスを代表するワインを飲むことができます。またはお店のスタッフに白または赤、辛口または甘口など希望を伝え、いくつか候補を上げてもらう方法もあります。

スイスのレストランでは、通常オープンワインを用意しています。少人数でボトル1本は多すぎるけど、グラス1杯だと足りないかも、という場合は、2デシリットル、3デシリットルという具合に分量に応じた大小のカラフが出てきます。


スイスワイン~日本での入手方法

ピノ・ノワール

赤を代表する品種が、ピノ・ノワール

輸出になかなか回ってこないため、日本の酒店、お酒の量販店ではまず目にすることがないスイスワイン。スイスワインの年間輸出量は、生産量の1%程度と限られていますが、近年は海外マーケットにも目が向き、希少なスイスワインを扱うショップも増えてきています。スイスには行けないけれども、ぜひ飲んでみたいという人には、ネット通販で入手する方法があります。「スイスワイン」で検索してみてください。



【編集部からのお知らせ】
・「20代男性俳優」について、アンケート(2024/5/31まで)を実施中です!(目安所要時間5分)

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※回答上限に達し次第、予定より早く回答を締め切る場合があります
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます