阪神・淡路大震災から20年
2015年1月17日で阪神・淡路大震災の発生から20年が経過しました。この20年間には新潟県中越地震、東日本大震災など数多くの地震が発生しました。また首都直下地震や南海トラフ地震、東海地震などが近い将来発生すると予想されています。あらゆる分野で地震への備えが必要になりますが、発生時に人命に直結する住まいは喫緊(きっきん)の対策が求められています。阪神・淡路大震災から20年の区切りの年にあらためて住宅の耐震化の基本を確認しておきましょう。
新耐震でも耐震性に問題あり
ここで少々ショッキングなデータを御報告します。次の表は日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が平成18年~平成26年までに実施した耐震診断(約2万676件)の結果について分析をしたものです。
新耐震基準が昭和55年以降ですから、現在の基準で建てた家ばかりですが、9割以上の住宅が耐震性を満たしていなかったという結果です。倒壊しない割合はわずか1.28%しかないという調査結果なのです。
自分で確認する耐震化
今の建築基準法は、関東大震災(大正12年)の2倍規模の地震に耐えられるように定められています。しかし規定されていてもそれに見合った建物になっているか、自分なりにチェックしてみる必要があります。次の5項目を確認することです。
- 土地の履歴はありますか? (昔どのように利用されていた土地なのかを知る為)
- 地盤調査のデータは確認しましたか?
- 基礎の配筋や考え方を担当者に聞きましょう。
- 間取りに対する耐力壁はどこにあるのかを確認しましょう。
- 軸組の金物の使い方は現場で説明を受けましょう。
このうち特に耐震の決め手となるのは地盤と基礎です。
地盤の基本
地盤調査は一般にスウェーデン式サウンディング試験(SS試験)の結果から出される※「換算N値※」を利用して診断します。土質が粘性土で換算N値3以下、砂質土で換算N値5以下の場合は、軟弱地盤となりますのでそれ以上の数値が目安となります。※N値とは…地盤の硬軟を定量的に示す数値として最も利用されている数値のひとつです。SS試験の場合は「N値」の代わりに「換算N値」を使います。
診断結果として、地盤調査報告書がもらえるので、確認してみて下さい。また、担当者に報告書の詳しい説明を受けると良いでしょう。
スウェーデン式サウンディング試験機による試験の様子