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ショー、各国選手権、国体……1月のフィギュア界雑感(2ページ目)

昨年末の全日本選手権を終えた1月、日本国内では、アイスショーやいくつかの大会が開催され、北米では国内選手権、ヨーロッパではヨーロッパ選手権で熱い戦いが繰り広げられてきました。そんな1月のフィギュアスケート界の雑感です。

執筆者:長谷川 仁美

全米選手権とカナダ選手権が終了、ヨーロッパ選手権は開催中


そんな風なほっこりした週末でしたが、北米では熱い戦いが繰り広げられていました。

アメリカでは全米選手権が、カナダではカナダ選手権が開催され、各種目のメダリストや、世界選手権や四大陸選手権などへの派遣選手が決定しました。

CSのJSPORTSで生放送もあったのでご覧になった方も多いと思いますが、全米選手権の女子シングルでは、23歳のアシュリー・ワグナーが優勝しました。「もう(フィギュアスケート選手としては)年をとりすぎてしまった」と言われることも多かったという彼女の、身体をいっぱいに使ったストロングな演技は、全米チャンピオンにふさわしいものでした。

2位には、グレイシー・ゴールド、3位には、15歳のカレン・チェンが入っています。全米初出場でいきなりメダリストになる彼女は、新しい世代の息吹を感じさせました。

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男子シングルでは、昨シーズン限りと公言していた引退を、「世界選手権で表彰台に上がりたい」と延長したジェレミー・アボットが、5位に。今月8日に、実父の逝去に接したのちの今大会では、パーフェクトな演技を披露することはかないませんでした。とはいえ、静かに胸に響いてくるプログラム『弦楽のためのアダージョ』は美しく、繊細でアーティスティックな29歳の彼だからこその作品を見せてくれました。

エキシビションで魅せた『Dear Lord』は、お父さんが亡くなったあと、全米選手権への練習が佳境を迎えている時期に作った、お父さんへのお別れの思いを込めたプログラムでした。地元の大学生の生演奏とコラボレーションした演技後にはアボット自身も涙を見せた、神聖で美しい時間になりました。

復活を印象づけたのが、25歳のアダム・リッポンでした。ここぞというときになかなか演技を決めきれなかったのですが、4回転ルッツにトライしたのち、すべてのジャンプをミスなく跳び、演技中から本人も「やった!」という気持ちが抑えきれない演技で2位に。優勝のジェイソン・ブラウンと3位のジョシュア・ファリスはともに20歳になったばかり。世代が確実に新しくなったことを強く感じさせました。
●全米選手権の結果はこちらから。

カナダ選手権でも同じく、男子シングルでは、16歳の若いナム・ニュエンが初優勝を果たしています。パトリック・チャンが休養している今シーズン、4回転サルコウを含む演技で完全優勝。

女子シングルでは、ガブリエル・デールマンが初優勝を果たしました。こちらも17歳。新しい顔ぶれが出てきています。
●カナダ選手権の結果はこちらから。

そして、ヨーロッパ選手権も1月28日(水)からスタートしています。こちらもJSPORTSで生放送もあるので、開催地スウェーデンとの時差を考えながら週末を過ごす方も多いことでしょう。
●ヨーロッパ選手権の結果はこちらから。

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