フィギュアスケート

フィギュアスケート観戦を楽しもう!

フィギュアスケート観戦を、オリジナルで楽しむ方法を見つけましょう。

執筆者:長谷川 仁美

毎年7月1日から新シーズンになるフィギュアスケートの世界では、今は年度末です。2016-17シーズンを振り返ると、どんな演技、どんなシーンがよみがえってくるでしょうか。


印象的なことをメモしておく

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毎年、私が「やりたいな」と思いつつ、時々しかできないでいること、でも、とてもお勧めしたいことがあります。

それは、「シーズン最後に、そのシーズンの印象的なできごとをメモしておくこと」。そして、「来たるシーズンの予想をしてみること」です。

1年前の今ごろ、フィギュアスケートについて自分がどんな風に感じていたのか、正確に覚えていますか? 今はツイッターやブログなどで、その時々の思いを残している方も多いですが、そんな風に書かずにはいられなかった演技やできごとを、意識的に記しておくことをおすすめします。

私の手元にあるフィギュアスケートのメモ(というほどまとまってはいませんが……)、時々読み返してみると、なんだかおもしろいです。

たとえば2002年11月のメモには、「◯◯選手が、2006年トリノ五輪で優勝するかも」と書かれています。振り返ってみると、そのころはたしかにそう思っていました。そのメモを目にするたびに、「4年って長いんだな」と改めて感じさせられます。

また別の時期には、「女子シングルの五輪金メダリストは、タラ(・リピンスキー。1998年長野)、サラ(・ヒューズ。2002年ソルトレイクシティ五輪)と、「◯ラ」という人たちが優勝しているから、2006年はアラ(荒川静香)が優勝、という書き込みを読んだ」(実際に2006年トリノ五輪では荒川さんが優勝)ともあります。

そんな風に、今ではすっかり忘れてしまっていることが、いろいろ書かれています。

そのほかにももし可能なら、印象に残った演技や試合で感じたことを書いておくのもお勧めします。誰に見せるものでもないので、自分の正直な思いを書いておいたり、シーズン前、どの試合も始まっていない今くらいの時期に、来たるシーズンの五輪や世界選手権の結果予想をしてみたりするのも、とても楽しいです。私の予想は、どれもこれも外れ、外れ、ですけれど、シーズン前にはこんな風に思っていたんだと振り返るのは、なかなかにおもしろいものです。


テレビ観戦を楽しむ

来たる2017-18シーズンには、平昌五輪が開催されます。そのため、これまで以上にフィギュアスケートも注目を集め、全日本選手権やNHK杯、今シーズン名古屋で開催されるグランプリファイナルなどは、チケットを取るのがますます困難になると予想されます。

チケット争奪戦、がんばるだけがんばったら、テレビ観戦に集中する、というのも、フィギュアスケートのひとつの楽しみ方だと感じています。

テレビ観戦の醍醐味は、演技も選手の表情もよく見えること。何台ものカメラで演技を追ってくれるので、会場での観戦より見やすいです。また、dボタンを押すと選手や試合のさまざまな情報が瞬時にわかりますし、大会の生放送のみならず、前日、当日、翌日などにニュースや情報番組などで、生放送だけでは知りえなかったことを知ることもできます。

現地にいたら追いかけきれない情報に触れられるのも、テレビ観戦のいいところです。


「フィギュアスケートっていいなあ」という瞬間を、生観戦で感じる

それでもやっぱり生のフィギュアスケートが見たい! という方には、ぜひ地方大会などに足を運んでいただけたらと思います。

たとえば、全日本選手権の前の前の段階の、東京選手権大会(通称:東京ブロック)のような地方大会です(その他、東北北海道選、関東、中部、近畿、中四国九州のそれぞれの選手権大会があります。いずれも「ブロック大会」と呼ばれたりします)。

その日初めて知った選手でも、演技を見ていると「全日本選手権に行きたい!」という思いが自然と伝わってきて、ふいに目頭が熱くなったり、そんな自分に驚いたりすることもあります。

特に大学4年生。そのシーズンで引退する選手が多いため、大学4年生の演技からは気迫や情感が感じられ、「もっと早くからよく見ておけばよかった」と思うことも少なくありません。

また、ノービスやジュニアの選手たちを何年も見ていると、1年に1~2回、ブロック大会や全日本選手権などで演技を見るたびに、「なんだか去年よりスピンが速くなったような気がする」とか「演技に照れがなくなったなあ」とか、ゆるやかに気づくようになります。なんとも一言では伝えにくい発見の喜びのようなものも、フィギュアスケート観戦の醍醐味のひとつでしょう。

選手を長く見ていると、時には思うような演技ができないこともありますが、そんな辛い時期を越えて素晴らしい演技を見せてくれた時には、「あの辛さからよくここまで……」と、こちらがグッと来てしまうこともあります。

全日本選手権でもそうですが、特にブロック大会や東日本・西日本選手権では、ライバル選手を「ガンバ!」と応援する声が響き渡ります。いつも一緒に練習しているスケートリンクのトレーニングメイトたちが、ジャンプのたびに「よし!」と送る大きな拍手の音が聞こえた時、いい演技を終えたあと、応援してくれたトレーニングメイトたちの方に笑顔を向けえるのを見た時………ああ、フィギュアスケートっていいなあ、そう思う瞬間です。


想像力とともに演技を見てみる

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お気に入りの選手ができると、自然とライバル選手や同時期に活躍している選手たちのことも知ることになります。

好きな選手が素晴らしい演技をして結果を残すのは、とても嬉しいことですが、そんな時、ライバル選手たちの演技も見てみたら、ごひいき選手の特徴がより引き立って感じられるのではないでしょうか。

試合に出場している選手たち、とくにグランプリシリーズや世界選手権、五輪などに出場している選手たちは、1年や2年の練習でここにたどり着いたわけではありません。スケートが上手で好きだったからではあるけれど、かなり長い間、ほかのことが気になってもスケートを最優先し、練習を重ねてきたからこそ、その場に立てているのです。その、途方もない時間と努力の結実であるそのときの演技。それを少しでも多く見てほしいと思います。

もちろん、好みの演技やそうでないものはあるでしょう。ですが、最初から3回転ジャンプを跳べる人はいませんし、陸上でやってみるとわかりますが、スピンの途中で何度も体勢を変えることだけでも相当なことです。選手たち、涼やかな顔で滑りぬけていますが、かなりすごいことをしています。

そんな風に、少し想像力を使ってフィギュアスケートを見てみると、新しい発見やさらなる楽しみがあるかもしれません。

フィギュアスケートの試合では、リンクで演技をするのはいつも1人(組)だけ。スポーツだから勝敗はつきますが、演技のために氷の上に立っている数分はライバルも勝ち負けもなく、その選手(組)の演技だけをじっと見つめ、応援することができます。それが、フィギュアスケートというスポーツのとても素晴らしいところだと感じています。

そんな風に、フィギュアスケートを自分なりに楽しむ方法を見つけていただけたら、とても嬉しいです。


3年強担当しました「フィギュアスケート」ガイドですが、私のガイド記事は今回が最後です。これまでたくさんの方に、記事を読んでいただきました。ありがとうございました。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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