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フィギュアに悪影響を及ぼしかねない「30秒ルール」

ISU(国際スケート連盟)が新ルールを発表した。その中にはやや疑問に感じるものが含まれていた。国際大会では、名前をコールされてからスタート位置につくまでの制限時間が定められているが、それが従来の60秒から半分の30秒に短縮されたのだ。しかも30秒をオーバーすると減点され、もし60秒以内に演技を開始しなければ棄権とみなすという大変厳しいものだ。

松井 政就

執筆者:松井 政就

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演技に悪影響を及ぼしかねない「30秒ルール」

演技に悪影響を及ぼしかねない「30秒ルール」

ISU(国際スケート連盟)が新ルールを発表した。その中にはやや疑問に感じるものが含まれていた。

国際大会では、名前をコールされてからスタート位置につくまでの制限時間が定められているが、それが従来の60秒から半分の30秒に短縮されたのだ。しかも30秒をオーバーすると減点され、もし60秒以内に演技を開始しなければ棄権とみなすという大変厳しいものだ。

 

羽生結弦選手への嫌がらせという噂の「真偽」

今回のいわば「30秒ルール」に関して、一部では、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦選手への嫌がらせではないか、という噂まで出ている。

羽生選手は、名前をコールされてから約40秒以上かけてスタートのポジションにつくことが多いからだと思われるが、噂の「真偽」を考える前に、そんな疑いを生んだ背景を見てみたい。


疑いを生んだ背景

この噂の背景にあるのは、不当とも言える欧米主導のルール変更により、日本がたびたび煮え湯を飲まされてきた過去だ。

有名なのがスキージャンプだ。98年長野五輪で優勝するなど、日本のジャンプ陣は世界最強だったが、その後スキー板の長さに関するルールが変更され、背丈の高くない日本人選手は不利となり、低迷を余儀なくされた。

フィギュアスケートにおいても不当なルール変更は行われた。難度の高いジャンプの回転数に対する過剰なまでに厳格なルールにより、女子選手で唯一トリプルアクセルを跳ぶことができる浅田真央選手が不利になった件だ。これはもはやスケート界の常識となっている。


しかし「30秒ルール」は事情が異なる

そうしたいきさつもあり、今回の「30秒ルール」が日本の羽生選手を狙い打ちにしたのでは? という噂につながったのだろうが、今回に限っては必ずしもそうとは言えない。

なぜなら「30秒ルール」によって悪影響を受けるのはほとんど全ての選手だからだ。
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