「部分入れ歯」に対する負のイメージ
入れ歯を使い始めるスタートになるのが「部分入れ歯」です。奥歯が2本抜歯になると、早い人では20~30代から勧められるケースが多いようです。しかし若い人ほど入れ歯に対する負のイメージが強く、作ってみたが使用しなかったり、作ること自体を拒否してしまう傾向があります。でも、実は使用を勧める歯科医師も知っているのです。なくてちゃんと噛めてしまう上、歯と歯をかぶせもので繋ぎ合わせて作るブリッジと違い、邪魔な異物感があるということを……。それでも使用を勧めるのには、使わないメリットよりも使うメリットが多いと考えているからなのです。
部分入れ歯を使用のメリット・デメリット
■メリット- 歯を削らない
- 残りの歯の寿命を延ばす
- 歯の移動を防ぐ
- 口元をシワやへこみを防ぐ
- 自分で取り外せる
■デメリット
- 異物感
- バネが邪魔に感じやすい
- 強く噛めない
部分入れ歯を使用しないとどうなる?
どんなに説明しても部分入れ歯を絶対に使用しないという人もいます。部分入れ歯を使用しないと、それまであった歯の負担が残りの歯にかかるようになります。つまり歯の本数が少なければ少ないほど大きな負担がかかります。歯の負担は、歯周病を加速させたり虫歯になりやすくさせるため、歯の寿命を短くします。はじめのうちは部分入れ歯を使用しなくても、大きなトラブルもなく使用できることが多いようです。しかし徐々に歯の本数が減少すると、ある時点で噛み合わせの負担に耐えられなくなり、そこからは加速度的に抜歯につながることがあります。それまで数年使えてきたものが、ある時点から半年ごとに抜歯になり、最後は噛める場所が無くなったり、噛むと痛くなったりしていきます。
入れ歯は失った自分の歯の機能を完全に再現するものではありません。しかし、歯の抜けた現状よりも咀嚼能力を上昇させ、さらに残った歯の寿命を延ばすサポートとして考えれば、デメリットよりもメリットの方が多いと考えられるのです。