5万円を切るモバイルノートPCというのは数年前であればちょっと信じられなかった存在。今回はその実力がどの程度なのかを借りてきて試してみました。
結論から先に言えば、レッツノートやThinkPadのような本格的なモバイルノートPCのようなタフさは無いものの、普通に使う限りであれば十分に実用なモバイルPCであると感じました。
それではこのX200MAについて紹介してきましょう。
外観
ボディサイズは幅302 mm奥行き200 mm高さ26 ~30.4 mmになります。スペックだけ見ると高さがちょっと厚いという感じもしますが逆にこの厚みが持ちやすさを演出しています。重量は約1.2キロなのでモバイルノートPCとしても合格な軽量さを持っています。ボディは強化プラスティックが多用されていますがが、表面の加工のおかげで安っぽさはあまり感じません。
ボディカラーはブラック、白、青の3つのカラーを選ぶことができます。借りてきたのは黒ですがビジネスシーンにもマッチしていい感じです。ホームユースであれば白やブルーなどを選択するのもいいでしょう。
感心するのはディスプレイの表示クオリティです。これで5万円を切るのはナイス。この価格帯のディスプレイとしてはトップレベルなのではないでしょうか。
価格を考えれば、コントラストや発色が非常によく、写真や動画を表示するのにストレスありません。 U-NEXやhuluなどのオンデマンド動画サービスを見るのもいいし、デジカメで撮影した画像を表示させて確認するにも普通に使えます。
キーボードはアイソレーテッドタイプで、割としっかりしたキータッチを持っており、仕事にも使えそうです。僕の初代「ZENBOOK」のヘロヘロなキータッチとは大違いで、ASUSもモバイルPCのキーボードをいろいろ研究して進化しているのが実感できます。
拡張性
拡張ポートとしては近代的にHDMIも搭載していて多くの最新ディスプレイに接続できて便利です。さらにアナログVGAポートも搭載しているので多くのディスプレイに接続できそうです。家に帰ってきたらディスプレイに接続して使うような使い方もいいでしょう。また、SDカードスロットはSDXCにも対応しているので高速にデータを転送できます。またUSBポートがUSB 3.0も搭載しているので高速なハードディスクなどを接続することもできます。USB3.0×1、USB2.0×2を搭載しているので、実用的に使えます。
面白いのはこのクラスでは珍しく、有線LANポートを持っていることです。有線LANが使える環境であれば、高速に接続できます。
WiFi機能にも当然対応しますが、802.11b/g/nにしか対応しないのが残念。価格を考えれば仕方ないところですが、aやacにも対応して欲しいところです。
バッテリ駆動時間
モバイルPCで重要なのバッテリー駆動時間ですが、このX200MAの場合、WebブラウズやFacebookなどで実際に使ってみると、まあ5時間ぐらい持つかな?という感じです。この駆動時間はモバイルPCとしてはギリギリ実用になるという印象です。BBench計測で省電力モードで比較的ディスプレイを明るくし、Webブラウズとキー入力をオンにして、 残量3%まで14637秒なので、243分、4時間3分ということで、実使用を裏付ける数値です。メーカー公称駆動時間が7.1 時間ということなので、カタログスペックにはやや劣りますが、こんなものという感じです。
また、充電が高速なのもこの機種の特徴です。コンセントに接続することで約2時間で90%充電できると公称しており、実際にもその程度の印象です。さらに「ASUS USBチャージャー+」に対応し、USBデバイスを高速充電できるので、スマホ等を充電するにも便利です。
パフォーマンス
CPUに関してはインテルのCeleronプロセッサM2830を搭載しています。名前からしてATOMよりも高速そうですね。WinScoreShare(要はエクスペリエンスインデックス)でスコアをとってみても4.1なのでドキュメント処理などビジネスユースでは十分に使える感じです。ちなみにボトルネックはグラフィックスで、高速なのはハードディスクで5.9です。このハードディスクは750GBと大容量なのでデジカメ画像などをため込むこともできます。
まとめ
ASUSのX200MAは5万円を切るという価格にしてはトータルで非常に優れたモバイルPCだという印象を受けました。ASUSは5万円ぐらいの安いノートPCをつくらせると本当にうまい。これに対して、高いノートPCを作るのは、まだ経験不足という気がします。このX200MAは気軽に買えて、気軽に使えるモバイルPCを持って探している人にはお勧めです。5万円でこれだけのもの買えるとはまさに時代がここまで来たかと感心してしまいます。さすがはASUSと言えるでしょう。
また、ハードディスクが750GBと大容量なので、多くのデータを持ち歩きたいモバイルユーザーにも魅力的でしょう。最近のモバイルPCは容量の小さいSSDドライブを搭載したモデルが多いですからね。