マーケティング/マーケティング事例

コンビニコーヒー戦争から学ぶポジションに応じた戦略

コンビニ業界で“コーヒー戦争”が過熱しています。最大手のセブン-イレブンが「セブンカフェ」で切り拓いたカウンターコーヒーの市場がライバル企業の参入で拡大。今後は益々成長の兆しを見せています。今回はこのコンビニコーヒー戦争にフォーカスを当て、コトラー教授のポジションに応じた戦略で検証していきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

好調が続くコンビニ大手の決算

コンビニコーヒー

コンビニ業界では今“コーヒー戦争”が熱い!

4月10日には、コンビニ大手各社の2014年2月期決算が出揃い、堅調な業績が明らかになりました。

最大手のセブン-イレブン・ジャパンは6,795億円と売上が前期比10%アップ、営業利益は2,127億円と前期比13.9%の大幅なアップを記録しました。また、2番手のローソンも、売上は4,852億円と前期比0.5%の減少となったものの、営業利益は681億円と前期比2.8%アップを実現しました。続く3番手のファミリーマートは売上が3,456億円の3.4%アップ、営業利益は433億円で0.5%アップとなり、3社共に営業利益では過去最高益を記録するなどコンビニ大手の好調振りが浮き彫りとなった格好です。

業績が堅調なコンビニ大手3社は出店攻勢も加速。この1年で4千店近くを出店してきました。中でもセブン-イレブン・ジャパンは、2013年3月に初めて四国に出店し、香川県に8店舗、徳島県に6店舗を同時オープンさせるなど積極的な出店戦略を展開していて、この1年間での出店数は実に1579店に上ります。

コンビニ各社は、これまでも売上の拡大を図るために、雑誌やおにぎり、おでん、プライベートブランド(PB)など様々な商品を“戦略商品”と位置付け、集客を図ってきましたが、最近特に集客の目玉として最も力を入れているのが、低価格で手軽に飲める本格的なコーヒー。

2013年に最大手のセブン‐イレブン・ジャパンが開始したわずか1杯100円で挽き立てのコーヒーが購入できる「セブンカフェ」が大きな成功を収めると、コンビニ各社は追随し、“コンビニコーヒー戦争”が勃発。1年間で大手5社が販売したカウンターコーヒーは実に7億杯にも上りました。

今回はコンビニ業界における“コーヒー戦争”を、フィリップ・コトラー教授の『競争上の地位に応じた戦略』に当てはめて各社の戦略の妥当性を検証していくことにしましょう。

まずは業界のリーダであるセブン-イレブンの戦略に迫ります!次ページへお進み下さい!
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