テクノポップ/アーティストインタヴュー

MUDDY WORLD、そしてテクノな鉄雄(4ページ目)

MUDDY WORLDのギタリスト、俺はこんなもんじゃない(OWKMJ)のベーシストでもある添田雄介さんが、少年「鉄雄」となり、打ち込みで紡ぎ上げたソロ・デビュー作『Fe』をリリース。空想と現実が入り交じった少年が主役の小説的テクノポップ。今回は、鉄雄として登場頂きました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ひとりの脳内VS世界

ガイド:
鉄雄さん、いや、添田雄介さんとしては、個展とかもされ、MUDDY WORLDではアートワークもやってられますが、アートという観点から触発されたものやアーティストはいるのでしょうか?

鉄雄:

個展は…バンド用や個人的に描いていたイラストがたまったので並べたのですが…今考えると怖いもの知らずなことで、恥ずかしいです。アートにはずっと関心があり、その中でも小さい頃から、音楽以前からずっと興味の中心だったものは絵画でした。そしてその中でも象徴派とよばれる人たちの絵画がずっと好きでした。絵画における象徴派とは、印象派と対になる概念で、「見たままに描く」印象派に対し、象徴派は、見えないもの、神秘性、反写実、装飾性といったものを重視します。MUDDY WORLDで描いている馬のキャラクターや雰囲気づくりなどにけっこう現れています。

それと、絵画はやはり「たったひとりで表現する」「ひとりの脳内VS世界」というようなところがあると感じていて、そこにずっと惹かれていました。「ひとりの脳内VS世界」の極北はアール・ブリュット(アウトサイダーアート)だと思いますが、アール・ブリュットにも大きな関心があります。

僕は、自分がバンドを組むまで、映画や演劇、バンドも含め、集団で表現をやる意味があまりわからなかったのです。「大勢仲間がいるんならやんなくていいじゃん」みたいな醒めた気持ちでした。でも今ではそんな自分もバンドを組み、チーム一丸となってひとつの表現に向かうことの凄さ、素晴らしさがよくわかります。鉄雄はソロですので、昔からそんな風に好きだった「ひとりVS世界」の衝動を強く残していますが、「まかない」の時期が終わり、一旦こうしてアルバムという形になった今、これからはまた違う形になるかもしれないと感じています。

得体のしれない妖怪のようになる

ガイド:
ソロおよびバンド、またはアーティストとして、今後の予定や抱負があれば、お聞かせください。

鉄雄:
生楽器で埋めたソロにもいつか挑戦できたらと思っています。
バンドは、MUDDY WORLDはつい最近録音が終わり、これからミックスが始まります。完成したら8年ぶりぐらいの2ndアルバムになります。今ラフミックスを聴いているのですが、すごいアルバムになりそうです。俺はこんなもんじゃない(OWKMJ)は、僕が加入する前に録音されたので僕自身は不参加なのですが、近々新しいアルバムが出る予定です。いろんな面白いと思えるアイデアを形にして、何だか正体のよくわからない凄い存在になること、得体のしれない妖怪のようになるのが大きな目標です。よろしくお願いします。

ガイド:
先ずは、みなさんに『Fe』を聴いてもらいたいです! 今後の活動も期待しています。

【関連サイト】
鉄雄 (Blog)
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