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農家への「戸別所得補償制度」って何だ?

民主党が現在進めている政策に、農家の戸別所得補償制度があります。これは農家を保護するために、農家に対してお金を支給する政策ですが、本当に日本に必要なのか考えてみましょう。

執筆者:All About 編集部

戸別所得補償制度とは?

どんなに工業化が進んでも、食糧を生産する農業は不要に ならない

どんなに工業化が進んでも、食糧を生産する農業は不要に ならない

農家への戸別所得補償制度とは、農家を保護するために政府が農家に対して所得を補償、単純に言えばお金を支給する制度のこと。いくら支給されるのかというと、まず「定額交付分」として、耕地面積10アールあたり年間1万5000円が与えられます。ちなみに10アールというのは1000平米に該当するので、小さめのスーパー程度の広さ。

それ以外にも、農産物(主にお米)の販売価格が標準的な価格より下がった場合は、販売価格と標準的な価格との差額が支給されます。

なぜいま、所得補償なのか?

そもそも、このような所得補償制度が考えられたのはなぜでしょうか? 昔、日本のお米は農家を保護するために政府が公定価格で買い取ってから、市場に流通させる仕組みになっていました。

それが「市場の原理を導入する」という目的で、1995年に一部自由化されてから、2004年の改正食糧法で完全自由化され、政府の買い取りはなくなりました。

ところが、日本はデフレ経済がずっと進行。自由化後にお米の価格はどんどん下がり、農家の経営が苦しくなっていきました。農家を保護するために、民主党が今回の所得補償制度を導入することになったわけです。民主党は政権奪取の数年前から、政権をとったら所得補償制度を実行すると述べていました。
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