傘の数であなたの先見力がわかる
私の家にはビニール傘が3本以上あります。でも、当たり前ですがそんなに必要ありません。いつもビニール傘を買ってくるのは、実は私の家内(妻)です。ではなぜそうなるのでしょうか。彼女は天気予報も見ないし空の様子も見ない。出かけるときに雨が降っていなければ傘を持って行かないので、外出先で雨が降ったら、すぐにコンビニやドラッグストアで買う。これを繰り返すために、わが家にはビニール傘があふれているのです。
天気予報や空の状態を見れば、何らかの情報は入ってくるはずです。曇り空なら、とりあえず折りたたみ傘を持って行こうと考えるはず。それさえしないで出かけるのは、先見力や予測力が不足していると考えられます。
一度や二度はそういうこともあるでしょう。特に夏場はゲリラ豪雨が増えていますから、天気予報が外れるということもあります。それに、傘を持っていくのは重いし邪魔だし、ビニール傘なら1本100円とか300円とか安いから、その方がラク、と、「あえてそうしている」という判断もあるかもしれません。しかし、なぜビニール傘が3本以上あることと、貧しいことが関連するのでしょうか。
先見力の不足は、出費増につながる
ビニール傘だけでなく、わが家には、ファンデーション、衛生用品、パンスト、ポケットティッシュなどがたくさんあります。また彼女は、財布にいくら入っているかも把握していないため、出先で現金が足りず、キャッシングをしてしまうこともよくあります。家事も二度手間になります。先に掃除機をかけてからテーブルを拭くので、テーブルの上のごみが床に落ちて、さっきの掃除はなんだったのか、となります。冷蔵庫の中身を確認しないで買い物に行くので、同じ調味料が何個も入っています。粒マスタード2瓶、味噌3パック、出汁パック2個……。
冷蔵庫の食材も余らせます。草餅が入っているのかと思ったら、カビで真っ青になったみかんでした。出張から帰った後で、「ついでにあそこに行っておけばよかった」となり、同じ方面に2回旅行に行く。出張も、早めにエアチケットを取っておけば安いのに、ギリギリになるので正規料金になります。
そのため、本来なら不要なはずの、余計なお金を払う羽目になる。あるいは割高な値段で買う羽目になる。結果、彼女の貯金はほぼゼロに等しいのです。
日常生活の中で“予見力”を鍛えよう
準備をしない、予備を持たない、行き当たりばったりゆえにコンビニで慌てて買う。これは、傘に限らず、他のいろいろな側面に関しても同じことが言えるのではないでしょうか。先を見通す力が弱ければ、人生そのものも行き当たりばったりになる。段取りの悪い人生を送ってしまうかもしれない。もちろん、あらゆることに対して先を読むことはできません。たとえば株価や為替を正確に予測することは難しいでしょうし、自分の興味のないこと、ほとんど影響のないこともイメージできないでしょう。しかし、自分が能動的に関わる世界、たとえばビジネス、家庭生活、などはある程度予測可能なはずです。先を読めれば対策が立てられる。不利な状況を回避できる可能性が高まる。
そして、その意志こそが、自分の未来を積極的に作っていくことだと私は考えています。いみじくも、パーソナルコンピューターの父、アラン・ケイが、「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創りだすことである」と言ったように。そこで私は、この意志と力を「予見力」を呼び、日々考察しています。
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