住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのテクニック

北陸の自然とともにオシャレに暮らすSUKENOの家(2ページ目)

冬は曇天の日が多く、湿度も高い北陸の気候。厳しい条件のなかで自然エネルギーを活かしながら、外界を感じられるさわやかな住宅をご紹介します。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド



太陽の光をエンタテインメントに

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家の周囲には大小様々な樹木が植えられています。その多くは広葉落葉樹で、夏は日射を防ぎ、冬は葉が落ちて日光を通します。デッキにはヤマボウシのシンボルツリー。白い花を咲かせるエゴノキや赤く紅葉する山ツツジなど、季節の移り変わりも愉しめます。

1階の暖かな空気は階段の大きな吹き抜けを通り、2階へ上がっていきます。吹き抜けは採光の空間も兼ねていて、この家の見せ場にもなっています。一方、斜めの屋根勾配を天井として生かしながら、家全体の天井高を低めに設定することで、空間の容量を小さくしています。箱の容積が小さくなれば冷暖房のエネルギー効率もあがり、建材の使用量が減ってコストダウンにもなります。

また夏場の日射や西日を避けるため、植栽に力を入れています。葉の落ちる広葉落葉樹を適材適所に植えることで、夏場は遮光し、冬場は太陽光を室内にとり入れられます。

窓ガラスはもちろん「ペアガラス」を採用して、断熱性を高めて「冷輻射」を低減しています。冷輻射とは輻射熱暖房と反対の原理で、ガラスや壁面などの冷たいものが体温を奪う現象です。ガラス窓の大型化にともない、その作用も大きくなりますから、寝室などはむやみに窓を大きくしないことも冷輻射を防ぐ手段として有効です。

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デッキを上から見たところ。ウッドデッキと大判タイルを組み合わせています。外部用のソファやテーブル、チェアなどを置くことで、デッキは「もう一つのリビング」に生まれ変わります。まわりを木の柵で囲み、周囲の視線を気にせずに思い思いの時間を愉しめます。

そして意外にも(?)、デッキには本格的なガーデンソファやテーブルを置いて春~秋は外で過ごし、外光を浴びることを提案しています。例えば北欧では短い夏を出来るだけ外で過ごし、バカンスは東南アジアのリゾート地が人気です。冬場の日照が極端に少ない北欧では、春から夏に日光を浴びることで、ビタミンDを生成し、くる病や骨粗しょう症を防ぐといわれています。冬の日照が少ない北陸だからこそ、外で過ごす時間が大切なのでしょう。周囲に植えた植栽が、ガーデンの雰囲気を高めています。

寒冷地の住宅というと、これまでは高気密・高断熱性能をいかに向上させるかに主眼をおいていましたが、SUKENOの実例は、その次のステップに入っていると感じました。自然エネルギーを活用しながら、外と内の関係を上手にコントロールしていくことは、これからの住宅全てに共通するテーマと思います。

取材協力:SUKENOWebマガジン コラージ

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