株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

日本株のトレンドは転換したのか?

日経平均株価は、1万5000円台に突入後、大きく株価下落して、1万3000円を割る場面も出てきています。今後、日経平均株価がどのように推移するかを過去の株価データを使って検証してみました。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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 日本株のトレンドは転換したのか?

日経平均株価は、1万5000円台に突入後、大きく株価下落して、1万3000円を割る場面も出てきています。今後、日経平均株価がどのように推移するかを過去の株価データを使って検証してみました。

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【検証条件】
検証対象:日経平均株価

買いルール
・終値が移動平均(75日)を下抜けした、翌日に買い

売りルール
・1ヵ月経過したら、翌日に売り

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今回は、「日経平均株価」を対象に、「75日移動平均線を下抜け」した翌日に買い付けを行います。「75日移動平均線を下抜け」にした理由は、現在(2013年6月26日時点)、日経平均株価が、75日移動平均線を下抜けしているためです。一般的に、75日程度の中期の移動平均を下抜けした場合は、トレンドが転換した可能性があると言われています。そこで、今回は、75日移動平均線を下抜けした場合の検証することで、日経平均株価のトレンドが転換したかどうかを調べることが出来ると考えたからです。
また、売りルールは、「1ヵ月」保有したら手仕舞いするように設定しました。仮に、勝率が低く、平均損益がマイナスの場合には、日経平均株価の上昇トレンドは転換したと言えるでしょう。また、勝率が高く、平均損益がプラスの場合には、上昇トレンドが継続する可能性が高いといえるでしょう。では、さっそく検証を行っていきます。


■検証結果

システムトレードの達人

システムトレードの達人



勝率: 52.00 %
勝ち数: 39 回
負け数: 36 回
引き分け数: 0 回

平均損益(円): 2,794 円  平均損益(率): 0.96 %
平均利益(円): 14,670 円  平均利益(率): 5.02 %
平均損失(円): -10,071 円  平均損失(率): -3.44 %

合計損益(円): 209,583 円  合計損益(率): 72.17 %
合計利益(円): 572,122 円  合計利益(率): 195.86 %
合計損失(円): -362,539 円  合計損失(率): -123.69 %

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.578
平均保持日数: 31.87 日


以上が、日経平均が75日移動平均線を下抜けした後に、1か月間保有した場合の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は52%、平均損益は0.96%となり、勝率は5割を超え、平均損益もプラスです。しかし、勝率や損益の数字がわずかなプラスであるため、トレンドが転換したかどうかを判別するのは難しいでしょう。しかし、少なくとも現状では、下落トレンドに転換したとは断言できない状況と言えます。

そこで、さらに詳しく分析してみると、1トレードあたりの平均利益は5.02%、平均損失は-3.44%です。この結果から、日経平均株価がリバウンドした場合には、現状の日経平均(6月26日終値12834円)は、1ヵ月後には13478円まで上昇する可能性があるでしょう。一方、更に株価下落し続けた場合には、12392円まで下落する可能性があります。今後1ヵ月で、日経平均が12400円を下回った場合には、2012年末から続いた上昇トレンドが転換した可能性が高く、下落トレンドに転換したと言えるでしょう。一方で、仮に日経平均がリバウンドして13400円台まで回復した場合には、上昇トレンドは継続し、再度、株価上昇に転じる可能性があると言えます。

今回の検証結果から、現状の相場は、2012年末から続いた上昇トレンドが転換するか否かの瀬戸際である可能性が高いことが分かりました。このような局面では、ご自身の相場観と異なる動きをした場合には、速やかに損切りをする覚悟を持ってトレードする必要があるでしょう。当然、皆さんも「塩漬け(損切りをしないこと)」が危険だということは、ご理解されていることでしょう。しかし、相場が直近の株式市場のように大きく乱高下すると冷静な判断が出来なくなり、時として「塩漬け」という選択してしまう可能性があります。是非、ご自身のリスク許容度に合わせて、損切りラインを決めて、トレードを行って頂ければと思います。

今回のように、過去のデータを使ってシミュレーションすることで、日本株のトレンドが転換したかどうかをおおまかに確認することが出来ます。もちろんこれらの数字はあくまでも過去の株価データからシミュレーションされた数字であり、未来も同様になる保証はありませんが、少なくとも投資判断の有効な材料の1つになるのではないでしょうか。目安があるとトレードで大きな判断ミスを犯す可能性も少なくなります。みなさんもぜひ過去の株価データを使ってシミュレーションしてみてください。

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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