輸入車/注目の輸入車試乗レポート

現時点でCセグ乗り味No.1、フォードフォーカス(2ページ目)

VWゴルフを筆頭に強豪ひしめく欧州Cセグメントに登場した、フォードの世界戦略車。最もハイレベルな商品開発競争が展開されている市場向けに開発されたモデルだから、当然、その完成度は相当に高い。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

よくできたクルマ、“通好み”で盛り上がる

フォードフォーカス

最高出力170ps/最大トルク202Nmを発生する直噴2リッター直4エンジンを搭載。デュアルクラッチトランスミッションの6速PowerShiftが組み合わせられた。JC08モード燃費は12km/l

なるほど、その乗り味は、現時点(2013年5月、つまりはVWゴルフ7の正規導入前)で日本における内外Cセグメント車のなかでもナンバー1だと思う仕上がりだった。

ひとことでいえば、パワートレインとシャシー、そしてボディのバランスが三位一体、すべて高いレベルできっちりタッグを組んでいるのが、操っていてドライバーによく伝わってくる。とても、路面と仲のいいクルマであった。

乗り心地は、適切に硬く、それでいていなしもほぼカンペキで、嫌味がない。ボディが強く、いいアシがよく動くからだ。ワインディングを攻めこめば、2リッターの力とトルクベクタリングなど制御を生かして、面白いような速さとシャープさで、いろんなベントをクリアする。高速域での安定感は、言うまでもなく……。
フォードフォーカス

コーナリング時の安定性と俊敏性を高めるトルクベクタリング・コントロールを採用。これはフロントの左右ブレーキを用いて、トルク配分デファレンシャル同様の効果が得られるようにしたもの


こんなによくできているのだから、ボルボやベンツを褒めてばかりいないで、もっとオススメすればいい、と自分でも思ったりするが、そこがこのクルマのもったいないところで、小さなクルマに今や常識的に必要なエコ対策(たとえばパワートレイン)が不十分なこと、デザインのセンスがいかにもグローバルマーケット志向で“オシャレ”じゃないこと、そして、にも関わらずちょっとお値段が高いこと、が、躊躇う理由である。

もっとも、そんなこんなも知ったうえで乗ってしまえば、よりいっそう、“通好み”で盛り上がる、というのがまたマニアの心理。

できれば、もうちょいとダウンサイジングパワートレインなモデルと、ハイパフォーマンスなSTを日本市場でも追加してくれないかなあ~、というのが、目下の願望だったり……。
フォードフォーカス

スポーツに装着されるサスペンションは、スプリングとショックアブソーバーを約15%硬いセッティングとしている

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