輸入車/注目の輸入車試乗レポート

パガーニ ウアイラは“ホンマモンのスーパーカー”

パフォーマンスはもちろん、機能美と芸術性の追求が、現存するスーパースポーツたちとはまったく次元の違う存在を生み出した。パガーニが送り出す“ホンマモンのスーパーカー”ウアイラ、その走りとは……。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

もはやフェラーリもランボルギーニもスーパーカーではない

パガーニウアイラ

日本では2013年に登場したスーパースポーツ。5年の歳月をかけ、8つのスケールモデル、2種類の実物大模型を経て誕生したという

乗り込む前からコーフンしていた。

エンジンがかかった瞬間、もう舞い上がっていた。

そのまま踏み込んでいくと、天にも昇るような気分で、気づけば本当にそうなってもおかしくないような速度域に達していた。

いくらか冷静さを取り戻し、“速さ”の代わりに強烈なサウンドを楽みつつ、ハードブレーキングでまたもや恍惚となった。フロントノーズのフラップが、左右で別々の動きをしたのが見えたからだ。

クルマを停め、ホッとしたのも束の間、胸の高鳴りは再び最高潮に達し、心と身体がしびれていた。頭が、できればもう一度、触れてみたいと思っていた。

これが、この感覚をくれるクルマこそが、ホンマモンのスーパーカーだ。

アルゼンチン出身の“夢見る”青年が、行きがけの旅費だけを握りしめてはるばる一族の故郷イタリアに渡り、モデナの地に辿り着いたのは、80年代のことだった。ランボルギーニ本社工場のモップ掛けに始まった天才青年の物語は、今、周囲の想像を超える立身出世ストーリーとなり、華々しく、その第二幕を迎えたのだ。おそらく、そのことを昔から確信していたのは、当の青年だけであったろう。

彼の名を、オラチオ・パガーニという。
オラチオ・パガーニ氏

2013年、日本での発表会に登場した際のオラチオ・パガーニ氏

ゾンダに続く新型モデル・ウアイラは、パガーニ伝説の第2章だ。もはやフェラーリもランボルギーニも、スーパーカーではない。そう言わしめるだけの力と美と、熱と知が、パガーニモデルには確かに宿っている。
パガーニウアイラ

ルーフ中央まで可動するガルウイングを採用。センターモノコックはカーボン・チタニウム、前後サブフレームにはクローム・モリブデン鋼が用いられ、車両重量は1350kgとなる

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