個人の転職活動と企業の採用活動は表裏一体
採用の失敗は企業にとっても痛手
中途採用の現場で最初にすることは、採用のプロセスを決めることです。つまり、誰が最初に面接をするか、その次は誰にして最終的には誰が面接するかという具合です。実質、発言力の強い人の独断で決まってしまうような採用がないわけではありませんが、通常は複数の目を入れて総合的に判断することになっています。
採用の過ちは日常的に起きている
人選びは容易なことではない
実は、わかっていることはいくつもあります。その最大のポイントは、「面接官の間に評価基準に対する共通認識ができていないこと」です。せっかく複数の人の目を入れているのにもかかわらず、それぞれの面接官が共通の評価基準をもって判断しようとしていないのです。つまり、それぞれの面接官が自分の価値観と評価軸で勝手な判断をすれば、複数の目が入ったことはかえってマイナスとなるかもしれません。
「適切な人材選び」であるはずが、その適切な人材像が人によってぶれていることで、最終的な判断に混乱が起きてしまっているのです。こうした採用の現場では、一定の基準でスクリーニングを何度も念入りに行ったのではなくて、ばらばらの測定方法で健康診断をしているようなものなのです。評価する基準値が異なれば、ある医者は患者をメタボリックであると診断し、もう片方はメタボリックではないと診断してしまいます。その判断によって処方箋も異なるとしたら、それは一大事ではないでしょうか。