何の為にWiiは買われたか
良くも悪くも、みんなで使うゲームハードで、ソフトもその傾向通りに売れていきました
結果、Wiiは、複数人が一緒に楽しめるマルチプレイが面白いものや、あるいは同時にプレイはしないものの、みんながゲームに関われる「Wii Fit」のようなものが売れて行きました。Wiiの売り上げベスト10を見ると、「NewスーパーマリオブラザーズWii」「マリオカートWii」「Wii Fit Plus」「Wii Party」などなど、見事にこのどちらかのソフトに分類できます。そしてこういったゲームは、作るのも、売るのも、圧倒的に任天堂に力がありました。逆に、1人でじっくり遊べるRPGのようなジャンルは1つも入っていません。
1人用のタイトルが全く売れていないかというと、もちろんそんなことも無いのですが、一定の傾向があります。1つは、スーパーマリオギャラクシーシリーズや、星のカービィシリーズなど、任天堂の強力なシリーズタイトル。これらは一定の規模で売れているため、じっくりとゲームを遊びたい任天堂ファンがいることが考えられます。
その他というと、モンスターハンター3や、ドラゴンクエストシリーズなどで、超がつくほどのブランド力を持ったサードパーティーのタイトル。その他中堅以下のゲームとなると、中々実力通りの販売本数を獲得するのが難しく、また、サードパーティーが自分の土俵で戦えないと判断して、積極的な展開をあまりしない状況にもなっていきました。こうなると、どうしてもタイトル数は伸びていきません。
任天堂自ら、売れないことを実証した
ゼノブレイドは大変にユーザーの評価も高く、もっと売れてもいい、もっと売れて欲しいタイトルでした
「斬撃のレギンレイヴ」、「ゼノブレイド」、「METROID Other M」、「THE LAST STORY」、「パンドラの塔 君のもとへ帰るまで」などが次々と発売されましたが、この中で最も売れたのがゼノブレイドとTHE LAST STORYで約16万本。残りは数万本と、Wiiの状況を大きく変えるには至りませんでした。
THE LAST STORYの約16万本という結果などは、完全新作で10万本を超えたとなれば健闘と言ってもよい結果かもしれません。しかし、全体としては任天堂の販売力を持ってしてもWiiで1人でじっくり遊ぶゲームを大ヒットさせるのは難しい、という印象を与えてしまったように感じます。
Wii Uがタイトルラインナップを揃えていく為には、Wiiで起こったこのような状況を変えていかなければいけません。