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石川 尚のプレス・レポート#10 倉俣史朗と原美術館コレ・中編(3ページ目)

世界の20世紀ファニチャー・インテリアデザインの財産的存在、KURAMATA!その展示会を追う第2弾。ボク自らカメラ片手のプレス・レポートです。取材協力:ハラ ミュージアム アーク・原美術館

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

壁面いっぱいにパァーッとばらまかれたカラーピースは、カーペット『パナセー/Panacee』。果物の形をした砂糖菓子がモチーフになったと聞く。

▲『パナセー/Panacee』ウールカーペット、W1390・D2000mm 1989年


カラフルなお菓子の鮮やかな色と形を愉しんでいる。
クロサワの映画「夢」に、ゴッホの絵の中を作者が彷徨うシーンがある・・・・・・・このカーペットを見ていると、親指位の大きさになったクラマタさんが、このカラーピース達と戯れているように感じられてならない。
このような作品の発想は、彼の子供時代の記憶や体験からなのだろう。(カーペットに近づいてみると、ひとつひとつがモッコリとしていて愛らしい!)

左奥隅には、なにかヒューンと飛び跳ねてきたような花瓶『エフェメーラ/Ephemera』。

▲『エフェメーラ/Ephemera』アクリル、アルミニウムにアルマイト染色、H1400・D180mm 1989年


20mmほどのアルミパイプをシルバー・バイオレット・ブルーもアルマイト処理し、緩やかに描いた弧は、晩秋の野に揺れるススキのようである。

先端に花(造花がいい!)を差してディスプレイしてほしかった・・・・・花があることによって審美の境をさまよう悲しげで美しい詩的な情景が生まれるはずだ。
細かいことだが、支柱のベースになっているアクリルの形状にも方向性のあるディテールがほどこされ、クラマタさんの意志が見えてくる・・・・・・・感嘆!

振り返ると中央のシルバースペースに目が向く。

▲線の構成美・・・・・『How Hight The Moon』

・・・・・・・そこにはガラスとメタルの構成物がある・・・・・(後編につづく!)

■『倉俣史朗と原美術館コレクションの作家たち-美の匠・生活の匠-』
■会場:ハラ ミュージアム アーク・原美術館
■会期:2002年10月5日~12月1日

■『倉俣史朗と原美術館コレクションの作家たち-美の匠・生活の匠-』+『小学校絵画コンクール展』
■会場:ハラ ミュージアム アーク・原美術館
■会期:2002年12月15日~2003年1月5日

■開館時間:9:30am~4:30pm(入館は4:00pmまで)
■休館日:木曜日&荒天候

※取材協力:ハラ ミュージアム アーク・原美術館

※全ての内容について、一切の転載・改変を禁じます。

(C)Dec.2002 Copy & Photo by イシカワデザイン事務所

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