ガーデニングのレイアウトにちょっとしたマジックを
美しい毛氈花壇も家庭には不向き
スペースに余裕があるうちはまだいいのですが、それが庭のキャパシティーを超えた量になると、途端に雑然としたものになってしまいますよね。
ズラリと並んだ花鉢は壮観だけど、ちょっと単調
ここにほんのちょっとしたテクニックを加えることで、のっぺらぼうな植栽を奥行きと広がりのあるものに変えられたら素敵ですよね。さて、そのテクニックとは……?
トライアングルの法則
フレーミング(構図)の基本はガーデニングにも
さて、「トライアングル」とは御存知の通り「三角形」のことですが、実はこの三角形が庭の植栽デザインに大きく関わっているのです。
絵画やデザイン、写真を嗜んでいる方は、「三角構図」というのを聞いたことがあるのではないでしょうか。構成物をどのようにフレームやキャンバスの中に配置するのかは、作品作りの上で非常に重要ですよね。
この構図には、メインの対象物を中心に据える「日の丸構図」、曲線で構成されているものをS字形に配置して奥行き感やリズムを表現する「曲線構図」、左右対称で安定感のある「シンメトリー構図」、そして見るものに安定・安心感を与える「三角構図」などがあります。
シンメトリーは西洋のフォーマルガーデンでよく用いられる構図ですが、今回注目したいのはあくまでも「三角構図」です。実は日本庭園の作庭技法でも、不等辺三角形の理論というのがあるのです。
日本庭園にみる不等辺三角形の理論
三つの石を不等辺三角形に配置
中でも最も基本的な三石組みは、メインとなる「主石」とサブとなる「副石」、メインとサブのバランスをとる「添石」の三つの石を不等辺三角形に配します。
樹木の配置も不等辺三角形に
日本庭園の植栽はこの不等辺三角形の理論を活かし、主となる三角形を中心に次々と三角形を足していくことで、自然風の植栽に仕上げていくのです。この理論は図面上、つまり二次元のことだけではなく、三次元においても適用されます。このことにより庭全体に奥行きと高さ、そして広がりが生まれるのです。
レッツ、トライアングルマジック!
さて、日本庭園で培われたこのすばらしい技法、現代の庭にも活用しない手はありませんよね。平面的なのっぺらぼう植栽に、まるでマジックのように庭に立体感と遠近感で広がりを生み出してくれることでしょう。もちろん庭の植栽だけでなく寄せ植えの植栽レイアウトや、たくさん増えてしまった鉢にも応用できますよ。この法則で、のっぺらぼう植栽から脱却!
樹木を利用したトライアングル
注意したいのは、草花は植え付け時とその後で、草丈や株張りが大きく変化する点です。最終的にどのくらいの大きさになるのかを想定して植栽プランを立てましょう。
なお、せっかくトライアングルを意識してプランニングしても植え付け時は苗が小さいため、どうしても平面的になりがちです。そんなときは、ここでもトライアングルマジック!寄せ植えなど鉢物を置いて高さを出し、変化をつけましょう。
庭の植栽、寄せ植え、寄せ鉢、そしてガーデンデコレーションにと、様々に応用できるトライアングルマジック。お庭のグレードアップに、ちょっと意識して取り入れてみませんか?
【関連記事】