マイナーチェンジで航続距離が14%伸びて、エアコンも改良
電気自動車のリーフがマイナーチェンジを行った。果たして実用性を大幅にアップさせてきただろうか? 今回進化したポイントは3つ。(1)航続距離が200kmから228kmへ14%伸びた
(2)冬場に電力を使うエアコンの改良
(3)補助金を使えば249万6000円で買えるグレードを追加
日産リーフ アクアブルーG
まず(1)から説明を。普通のクルマでいえばエンジンに相当するモーターを「改良」じゃなく新型に変更。ブレーキ時に行う電力回生の効率も改善し、さらに80kg軽量化まで実現。航続距離を伸ばしている。結果、街中での実用電費が、ガソリン車の燃費に相当する5%程度向上した。
今までのリーフの「電気切れを考えないで済むストレスの無い」航続距離は120km程度。マイナーチェンジしたリーフなら、130km近い航続距離を持つ。満充電しておけば、東京都内のように平均車速20km/hくらいの使い方だと6時間半くらい走ってくれる。
ガイドも前期型のリーフを所有しており、すでに1年半くらい(走行距離は1万2000km)乗っているけれど、航続距離不足を感じるのは箱根や河口湖、前橋といった100km程度のドライブに行くときのみ。マイナーチェンジモデルなら、こういった場所にも余裕を残して到着出来るだろう。
前期型ユーザーからすれば、航続距離の伸びより「いいね!」なのが(2)、冬場の暖房性能の改善だ。売れ筋グレードの『X』と『G』は、ヒーターが厳寒時に使うPTCヒーター(電気でお湯を作って暖房に使う。効率が悪い反面、マイナス20度でも効く)+省電力タイプのヒートポンプ式になった。
東京のように外気温がマイナスにならないような地域だと、ヒートポンプ式の方が圧倒的に電気を喰わない。前期型だと暖房を入れた途端、航続距離は20%以上減ったものの、ヒートポンプ式だと10%しか短くならないで済む。これなら気軽に暖房を使えるというもの。
リーフのブラック本革シート
残念ながら(3)の249万6000円という廉価グレード『S』は、ヒートポンプ式暖房が付かない。けれどシートヒーターやステアリングヒーターを標準装備。暖かい格好をして乗れば、暖房を入れなくたって快適に過ごせると思う。いずれにしろ寒さを我慢して乗らないで済むようになった。
ということでおすすめグレードは『X』(補助金を使えば290万4450円)。Sだとヒートポンプ式エアコンだけでなく、30万円相当するナビやクルーズコントロールも付いていない。金額差以上のバリューがある。Sグレードは官公庁やフリート(会社)を想定しているのだと思う。