弁理士試験/弁理士試験の概要

弁理士試験制度の概要(2ページ目)

弁理士試験は、誰でも受験でき、短答試験、論文試験および口述試験の三段階で行われます。昔は口述試験で不合格になる方は少数派でしたが、最近は相当な数の方が口述試験で不合格になります。最新の情報を集めて対策を立てる必要があります。

木村 晋朗

執筆者:木村 晋朗

弁理士ガイド

論文試験

論文試験は手書きで解答です

論文試験では、手書きで解答文を作成します

7月に行われ、9月に合格発表です。合格率は平成24年度の試験で28.3%でした。合格すると口述試験に進めます。試験は、必修科目と選択科目とに分けて行われます。

必須科目の試験は7月上旬です。試験科目と試験時間を見てみましょう。
  • 特許・実用新案:試験時間は2時間
  • 意匠:試験時間は1時間半
  • 商標:試験時間は1時間半

試験中に法文を貸してもらえるので、法律、条約を見ることができます。ただし、筆者もそうでしたが、ゆっくり見ていると解答時間が不足してしまいます。試験中は少し確認する程度でしょう。

次に、選択科目の試験が7月下旬に行われます。いわゆる技術系の科目、または、法律系の科目の中から、前もって選んだ科目を受験します。試験時間は1時間半です。選択科目については、受験をせずにすませる免除制度があります。この免除制度をうまく活用できると有利です。

口述試験

口述試験は緊張しやすいものです

口述試験の時に緊張しないように練習しておきましょう

10月に行われます。科目は、特許・実用新案、意匠、商標の3科目です。それぞれの科目について、一人ずつ、10分間ほど試験されます。

論文試験と同様に、試験中に法律、条約を見ることができます。ただし、ここでもゆっくりと条文などを見ていると、時間切れとなってしまいます。筆者も勉強不足と緊張のため、何度も条文を見ているうちに時間切れとなったことがあります。

平成24年度の口述試験は、1134人が受験しました。それに対して試験の最終合格者が773人です。口述試験にも免除制度があり、合格者の7%、つまり54人の方は、口述試験を受験せず最終合格しているようです。つまり合格率は概算で63.4%でした。

昔の弁理士試験では、口述試験の合格率が今よりもずっと高くなっていました。このため、口述試験はめったに不合格にならないというイメージがありました。しかし現在では、不合格者は少なくありません。平成24年は、400人以上の方が口述試験に不合格になっています。この方々は短答試験と論文試験に合格されていますので、知識が全くないわけではありません。口述試験のための対策が必要なことを示しているといえるでしょう。

最新の情報を収集しましょう

古い書籍を参照したり、昔の試験に合格された方のアドバイスをうかがう時には、最近の口述試験が昔とは違うことに注意が必要です。実際に筆者も油断して口述試験に不合格になったことがあります。

また、弁理士試験制度については、見直しを行うべきだという意見もあります。試験を受ける際には、新しい情報の収集と分析が欠かせません。

【関連サイト】
弁理士会のサイトに弁理士登録できない場合が挙げられています
特許庁で試験の概要を公開しています
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