ヨーロッパ/グリーンランド

神秘の自然を求めて、遥かなるグリーンランドへ!(2ページ目)

世界最大の島として有名な“グリーンランド”。北極圏に位置し遠い日本人には未知のイメージがありますが、島には厳しい自然と共生する人々の暮らしがあり、もちろん観光で訪れることもできます。そういえばかつてこの氷の島を犬ぞりで単身縦断した日本人の冒険家もいました。夏のひと時、美しい自然を求めて旅行者を惹きつけるグリーンランド南部の町を紹介します!

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

氷河への一日トレッキングツアー!

歩いてきた「フラワーバレー」を一望のもとに!

歩いてきた「フラワーバレー」を一望のもとに!

一番近いナルサルスアーク氷河の先端まで、一日かけて往復します。

しばらくは氷河から流れ出る小川沿いに開けた谷間を縫って、なだらかなハイキング! あたり一面夏の間は色とりどりの植物が花を咲かせてハイカー達を出迎えてくれます。さらに小川を遡るとここからはやや急な登り道、振り返れば雄大なグリーンランドの景色が一望です!

お昼休憩を挟んでさらに進めば眼前には巨大なナルサルスアーク氷河が! ここまで来ればあと少し、一歩歩みを進めるごとに、氷河が目前に迫ってきます。最後は足を滑らせないように気をつけながら、氷河の先端が手に届く所まで降りていきましょう。

この大きな氷河も、グリーンランド全体から俯瞰して見れば、一本の小さな筋でしかありません。ここから先何千キロ、日本の何倍もの面積の氷河が島の最北端まで続いているのです。大自然のスケールにも驚嘆しますが、これを縦断した冒険家に思いを馳せれば、人間というのも偉大なものだなあと感慨を得ずにはいられません。
雄大なナルサルスアーク氷河がついに眼前に!

雄大なナルサルスアーク氷河がついに眼前に!



※特別な装備は要りませんが、歩きやすい靴(できればトレッキングシューズ)で参加しましょう。


「赤毛のエリック」をたずねて

不思議な意匠のグリーンランド古代壁画

不思議な意匠のグリーンランド古代壁画

村の小さな教会

村の小さな教会

ナルサルスアークからボートに乗ってフィヨルドを横切り、対岸のカシアルスク村へ渡ります。

ここは985年、グリーンランドに初めて入植したバイキング「赤毛のエリック」が最初に居を構えた村です。謎めいた古代壁画のレプリカや現在の住民達の暮らしに触れる事が出来ます。

本当に小さな村ですが、教会があったり、もちろん民家があって洗濯物が干してあったり、普通の日常がここにもあることが良く分かります。短い夏を謳歌しているのかもしれませんが、長い冬の間はどうしているのだろうと、その生活の厳しさは想像が及びません。

 

コロック氷河へのボートクルーズ

ボートに乗ってナルサルスアークを出発し、半島をぐるりと回って反対側のコロック氷河を目指します。

氷河が近づくにつれ、海面に漂う流氷が次々と現れてきます。ボートは数え切れないくらいの流氷の合間を縫うようにして進み、乗客達は「タイタニック」にならないかとハラハラしながらも、美しい景色にシャッターを押すのをやめません。


 
何万年という旅を終えた氷河の先端

何万年という旅を終えた氷河の先端

そして、ボートが進める限界まで氷河に近づいたところでハイライト、ここでエンジンを切るのです。

その瞬間、あたりはどこまでも透き通るような静寂に包まれ、乗客達は波間を漂うボートに揺られながら大自然と一体になります。すると、時折しじまの中でゴゴォーッという轟音が! 氷河がフィヨルドに崩れ落ちる音です。何万年という旅が、今終わったのです。

流氷のロックで飲むカクテルの味は格別!

流氷のロックで飲むカクテルの味は格別!

帰り道は流氷の一つに近寄り、クルーがアイスピックで流氷を割った氷でカクテルを作ってくれます。これこそまさに気の遠くなるような永い歴史の味ではないでしょうか!

 

次は、「天気が良ければオーロラも!」
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