BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

実用とスポーツを真に両立、“21世紀”のM6カブリオレ(2ページ目)

BMW M社が手がける、6シリーズカブリオレのハイパフォーマンスバージョン。21世紀のMはモンスターとノーマルが上手に共存、スポーツを楽しむ舞台を積極的かつ自発的に選ぼうとするオーナーだけに許された乗り物だ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

スタンダードには戻れない、サーキットでは“別モノ”に

BMW M6カブリオレ

最高出力560ps/最大トルク680Nmを発生する4.4リッターV8ツインターボエンジンに、ダブルクラッチトランスミッションの7速M DCT Drivelogicを搭載。0-100km/h加速は4.3秒とされた

たとえば、サーキットである。

オウンリスクで高性能を楽しめるサーキットのような舞台に持ち込めば、M6カブリオレが別格であることを痛感するはずだ。
BMW M6カブリオレ

アイドリングストップやエネルギー回生システムも備わる。旧型のV10モデル比で、最高出力10%/最大トルク30%の向上を果たしつつ、燃料消費量は30%以上も軽減している

まずは、エンジンフィールである。スペックと仕様を何となく書き連ねただけでは、単なるブースト違いかと思ってしまうが、これが回すと雰囲気がまったく異なる。

M6用S63エンジンの高回転域における精密度と力強いパワーフィールは、圧倒的に“別モノ”だ。まわしても、力のタレがまるでなく、むしろ、より精密度を増して、力が芯に集り始める。右足が何か得体の知れない物に吸い込まれていくような気分のまま、車速がぐんぐん上がっていく。

そして、そんな高い速度領域における、クルマ全体の動きは、とてつもなく素直で快活、スタンダードとは比べ物にならないほどひき締まっているのだった。力の出し入れ、上下左右の動き、どれをとっても、同じ感覚、同じ速度、同じ質感で動くなどという芸当は、その素質の高さと相まって、BMW Mモデルでしか、体験できないものであり、ひとたびそれを高い速度領域で味わったならば、もうスタンダードには戻れなくなってしまうだろう。

実用とスポーツの高いレベルでの両立。それが、最新Mの正体であると言っていい。
BMW M6カブリオレ

コンフォート/スポーツ/スポーツプラスからサスペンションの設定を選択できるダイナミック・ダンピング・コントロールを搭載。左右の駆動輪間で状況に合わせて駆動力を配分するアクティブ M ディファレンシャルも備わる

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます