慣れている投資に集中して取り組むほうが成長できる
「損を取り返そうとするとドツボにはまる」と言われることもありますが、株の損は株で取り返すのが王道です。これにはふたつの理由があります。ひとつは、中途半端な分散投資を避けるためです。たとえば、株で損した人が、一発逆転を狙ってFXに手を出すことがあります。本業が不振だからといって、フランチャイズチェーンに加盟して逆転を狙うとたいてい失敗するように、慣れないもので取り返そうとするのは、逆に致命傷になるリスクがあります。それよりも、慣れている株に集中して取り組むほうが勝つ確率が高くなるでしょう。異性とも永く付き合えば相手のことがわかるようになるとおり、ひとつの銘柄と永く付き合えば、動きの特徴がつかみやすくなりますから。もちろん、だからといって焦ってしまうのは逆効果です。パチンコの損をパチンコで取り返そうとして全部失うのと同じ、熱くなって思考力が奪われないようにしたいものです。
もうひとつは、投資家としての成長になるからです。損したときの自分の判断を検証し、学びに変え、次につなげていくことで、さらに技量があがります。だから、多少失敗したからといって、「投資を辞めない」ことです。さらに、高額な情報商材を買ったり自動売買ソフトに手を出したりして現実から逃げないことです。これではよけいにお金を失うだけということになりかねません。同様に、自分では無理だから投資信託にしよう、というのも思考停止につながりやすいといえます。
学生時代、部活動をしていた人はわかると思いますが、何度も試合で敗北を味わいます。しかしそれでも、毎日何万本もシュート練習し、走って走って体力をつけ、強くなっていきます。投資でも、失敗した時こそ成長のチャンスといえるのではないでしょうか。