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「イル テアトリーノ ダ サローネ」に新企画!(2ページ目)

南青山にある人気のリストランテで2012年6月からランチタイムにお料理教室を兼ねた新しいスタイルのコース「LA CUCINA CREATIVA(ラ クッチーナ クリエイティーヴァ)」が始まりました。エミリアロマーニャ州ピアチェンツァの名店「リストランテ リーバ」で修業を積んだ芝先康一シェフの丁寧な解説を伺いながら、絶品コースを頂く、なんとも贅沢な時間です。

岩谷 貴美

執筆者:岩谷 貴美

グルメガイド

いよいよシェフの解説つきコースがスタート!

■クレマ ディ ズッカ
前菜1品目「クレマ ディ ズッカ」

前菜1品目「クレマ ディ ズッカ」

前菜の1品目は「南瓜のなめらかクリーム」。「ズッカ」が「南瓜」で、「クレマ」が「なめらかなクリーム」という意味なのです。

「南瓜のスープ」と言ってしまうと簡単そうですが、やはりとても手間がかかっていました。まず、みじん切りにしたエシャロットを鍋で飴色になるまで弱火で1時間30分程ソテーしてから、2センチ角にカットした南瓜を加え、さらに水と塩を入れてから30分弱火で煮てから、ミキサーにかけているのだそうです。

これだけでも、家庭で作るにはかなり気合いを入れなくていけませんが、さらにマスカルポーネクリームやアマレットのゼリー、クランブル(サブレみたいなもの)などと一緒に盛り付けて完成です。

まろやかな南瓜の甘味をチーズやアマレットが引き立て、とても濃厚で贅沢な味わいです。「なるほど、こんなに手間をかけ、様々な食材との組み合わせで主役となる食材の味を引き出す工夫がされていたのか」と、改めて同店の味の奥深さに気付かされました。

■兎のテッリーナ
前菜2品目「兎のテッリーナ」

前菜2品目「兎のテッリーナ」

「テッリーナ」とは「テリーヌ」の意味なので、まさに「兎のテリーヌ」です。
ちなみに、兎モモ肉は日本のスーパーではなかなか手に入らないので、鶏のモモ肉で代用しても良いそうです。芝先シェフの解説は、家庭でのアレンジ法も提案して下さるのが有難いところです。

こちらも、兎モモ肉や数種類の野菜、ゼラチンなどを鍋に入れてから約2時間程煮ています。兎はたんぱくな味なので、赤玉葱や白人参のピューレ、グリーンオリーブのソースなどを添えているのがポイントです。このピューレやソースも素材の味に深みが出ていて、兎のテリーヌを色々な味わいに楽しませてくれます。

■蛸とサルサ ポレンタ コン サラーメ
前菜3品目「蛸とサルサ ポレンタ コン サラーメ」

前菜3品目「蛸とサルサ ポレンタ コン サラーメ」

「サルサ」とは「ソース」の意味、「サラーメ」は「サラミ」の意味です。

これは、やわらかな蛸の食感が肝なのですが、その秘密はワインのコルクと3時間の湯煎にありました。蛸を赤ワイン、ワインのコルクと一緒に真空パックに入れて65度のオーブンで湯煎の状態にして3時間火を入れるのだそうです。

3時間の湯煎は理解できるとして、「なぜ、ワインのコルク???」という質問が一斉によせられましたが、シェフいわく「現地に伝わる美味しくなるおまじない」だそうです(笑)。でも、そんなおまじないも忠実に守っているシェフの誠実さが美味しさにつながっているに違いないと確信してしまいます。

手作りのドライトマトやポレンタのソース、サラミなどを一緒に盛り付けられた蛸は、本当に柔らかで洗練された味に仕上がっていました。

■マリナート ディ サルモーネ
魚料理「マリナート ディ サルモーネ」

魚料理「マリナート ディ サルモーネ」

「マリナート」が「マリネ」、「サルモーネ」が「サーモン」の意味なので「サーモンのマリネ」ですが、もちろんこれにも膨大な時間がかかっています(笑)。

塩とグラニュー糖を均一に振りかけたサーモンは6時間かけてマリネしてから、オレンジ果汁に7時間漬け込んでいるのです。

シェフは「置いておくだけですから」って、簡単におっしゃいますが、かなり計画性が必要です(笑)。このお料理のポイントになる「パンチェッタの泡」の作り方を教えて頂いたのも収穫でした。サーモンにパンチェッタの旨みが感じられる泡をかけることでコクが加わり濃厚さが増します。この泡の作り方だけでもマスターしたら家庭料理が一気にグレードアップしそうです。

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