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よくわかるLIBOR(ライボー)金利不正操作問題

イギリスで「LIBOR(ライボー)」という金利が不正操作されていたという疑惑が大問題に。ほとんど聞いたこともないようなこの金利ですが、実は世界中に影響する数字なのです。

執筆者:All About 編集部

そもそもLIBOR(ライボー)とは?

世界のLIBOR関連の取引額を円で表すと、なんと2京8000兆円!

世界のLIBOR関連の取引額を円で表すと、なんと2京8000兆円!

聞こえなれない「LIBOR」。まずは、そのものの解説からしていきましょう。

LIBORは「ライボー」と読み、「London Inter-Bank Offered Rate」の略語です。日本語では、「ロンドン銀行間取引金利」といいます。つまり、イギリスロンドンにある銀行間でお金を貸し借りする際の、金利のことです。

暴かれた不正

今回問題になっているのは、イギリスのバークレイズという大銀行がLIBORを長年不正操作していた疑いがあるとして、6月末にイギリス金融当局から2億9000万ポンド(約360億円)の罰金支払いを命じられたことに端を発します。

この件以後、金融当局がバークレイズの過去の行動を調べると、長年LIBORの不正操作を続けていた疑いが浮上してきました。

なぜ不正操作ができるのか?

なぜ、1つの銀行が金利を不正操作するということができたのでしょうか? それは、LIBORという指標が、いくつかの銀行からの申告によって集計されたものであるためです。

LIBORはドルや円など各通貨ごとに10種類あり、今回一番問題になっているのはドル用金利。このドルLIBORは世界にある18行の大銀行が、それぞれ「うちは1.0%」「うちは1.5%」など、自身の銀行が使っている銀行間貸出金利を申告し、その平均を取ることで算出されます。

この18行には、日本の三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、農林中央金庫の3行も含まれています。18行から申告された金利のうち、最高と最低の4つずつは極端な数字として除外。残った中間値の10行だけから平均が計算されて、ドルLIBORとなります。

単純にいうと、18行の1つに入っているバークレイズはこの申告で実態からかけ離れた数字を申告していたわけです。結果、その数字から平均が計算され、LIBORが不正操作されてしまうことになります。バークレイズは、これを2005年頃から長年続けていたという疑惑がかけられています。
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