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国家は頼れない! 「世界恐慌」に備えるマネー術(3ページ目)

あなたが勤めている会社は、非常事態が起きたときに従業員に何かしてくれますか? 国家の非常事態に、国家は個人に対して何をしてくれますか? 何もしてくれないかもしれない可能性もあるわけです。そんなときでも生活が破綻しないように、私たち個人は武装しておかなければなりません。その心構えをレクチャーしましょう

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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日本だけではなく、アメリカもEUもヤバイ

もちろん、それより前に米国かEU(ユーロ経済)が破綻するかもしれません。
アメリカは2011年、歴史上初めてとなる、国債格付けがトリプルAを失いました。日本ほどではないにしろ、赤字国債は年々膨らんでいます。
不動産バブル崩壊の処理がまだほとんどできていない状況ですから、日本と同様に、回復には10年以上かかるかもしれない。

さらに日本よりも良くないのが、膨大な貿易赤字国であり、日本以上に財政の余裕がない点です。
とはいえ、アメリカは世界覇権を握るため、あらゆる手段を講じてくるでしょう。

ユーロはまだまだ不安定ですから、ギリシャショック級の金融パニックは、また何度か起こると考えられます。
経済優良国のドイツと、構造的な財政赤字のギリシャが同じ通貨を使うというところにそもそも無理があるのには、誰の目にも明らかです。

にもかかわらず、このひずみは解消されるどころか、こちらもお札を刷りまくり、問題の先送りに終始しています。これは、EUが抱える爆弾を、徐々に大きく育てていると言えます。EU首脳は、終焉に向けていかにソフトランディングさせるかを考えているのではないかと感じることさえあります。

そしてリーマンショック以降、世界の中央銀行が刷りまくった数百兆円のお金は、国民のフトコロではなく金融機関やヘッジファンドに流れ込み、余ったお金は再び局地的バブル経済を生み出そうとしています。

バブルはいつかははじけます。
しかも今は、ある金融機関が作った金融商品が、世界各国で販売されますから、その影響はボーダレスに波及します。海の向こうの遠い国の事件でも済まないのです。

もはや先進国はどこも、瀕死の重態であり、先進国で経済的に安全な国は存在しないと言えます。日本、アメリカ、EU、どこが先に倒れるかという順番と、それはいつかという時期の問題であり、かつ、どこが倒れても、甚大な世界恐慌はやってくるということです。

個人は備えなければならない

これらの非常事態が、起こるかどうかは別として、可能性があるのならば、できる範囲で備えておく必要があるということです。

そういう意味では、「日本は大丈夫」と論じている人は、とても無責任に感じます。
なぜなら、有事への対応を考える機会を奪ってしまうからです。いたずらに危機を煽ることを奨励するわけではありませんが、「日本は破綻しないから大丈夫」と思った瞬間に思考停止し、何も備えようとしなくなるからです。

私たちは、命ある限り生きていかなければなりません。そして、生きるにはお金が必要です。住むにも、食べるにも、移動するにも、お金がかかる。

会社の非常事態に、会社は従業員に何かしてくれるのか。国家の非常事態に、国家は個人に何かしてくれるのか。何もしてくれないかもしれない可能性もあるわけです。そんなときでも生活が破綻しないように、私たち個人は武装しておかなければなりません。

そのためのテキストは、書店にいけばたくさんありますし、オールアバウトマネーにもたくさんあります。
あとは、やるかやらないかで差が出ます。
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