更新日:2011年10月31日

【ウィーン工房1903-1932】のデザイン

【石川尚の気になるデザイン】シリーズ。「ウィーン工房 1903-1932」展が開催される。すでに四半世紀にわたって 世界中の人を魅了し続けているウィーン世紀末、そしてウィーン工房。その魅力を探る日本初のウィーン工房回顧展、その内容とは? 『チケットプレゼント』あり。

『ウィーン工房』ってご存知ですか?

ウィーンといえば「音楽の都」。しかし、ファニチャーイスト(=ファニチャー・デザイン大好き人間のこと←イシカワ造語)の皆さんにとってウィーンは、建築・家具・インテリアデザインの都といっても過言ではありませんね。筆者も大好きな都市の一つです。
そのウィーンで誕生した『ウィーン工房』、あらためてご紹介します。


ウィーン工房は、1903年にヨーゼフ・ホフマンとコロマン・モーザーの二人の建築家と実業家フリッツ・ヴェンドルファーの3名によって設立され、建築からインテリア、家具、照明や食器に至るまでの生活芸術の装飾的な仕事を一貫したスタイルで行ないました。デザイン・制作・販売まで行なう企業組織の誕生でした。
販売店をウィーン市街地の中心に出店し、1910年にはドイツ支部を設立。第一次世界大戦をなんとか凌いだ後、1917年・チューリッヒ支店、1922年にはニューヨーク支店を開店しましたが、その後の世界恐慌の影響で次第に経営難に陥り、1932年に解散しました。

機能性・合理性を本領とするモダンデザインと装飾的要素がミックスされたウィーン工房が残した数々の作品・仕事は、近代建築やデザインの中で実に優雅で気品のある存在として現在も輝いています。

このウィーン工房の全貌を明らかにする展覧会がパナソニック電工 汐留ミュージアムで開催されました。日本で初めてのウィーン工房回顧展です。

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「ウィーン工房 1903-1932」展リーフレット
●画面をクリックすると拡大します。


今回の展覧会は、ウィーンで長らくその研究と収集を続けてこられた二人の研究者の協力のもと実現され、さらに国内有数の各美術館からも選りすぐりのウィーン工房作品が出展されています。

まずは、展示のみどころをご紹介します。

前期のウィーン工房(1903-1910年)

1903年の設立からコロマン・モーザー(1868-1918年)が工房を退くまでに創造された作品と仕事です。
ヨーゼフ・ホフマン(1870-1956年)とモーザによってせっけいされ完成した代表作「プルカースドルフのサナトリウム」の作品が中心です。

サナトリウムは、連続する正方形など幾何学模様を空間にはめ込むような装飾で構成されていました。そこで使用される家具や食器、照明器具、ファブリック、金具等細部に至るまで統一された「総合芸術作品」としての空間なのです。

建築家が牽引したウィーン工房の前期らしく、実にアーキテクト(建築)的造形が主流の時代です。

1

コロマン・モーザー『アームチェア』     (1903年 豊田市美術館所蔵)


2

シート部分は籐が市松に編み込まれています。

やはり、目に入ってくるのは「椅子」です。それも市松や格子柄なので、どうしても日本人としての心が騒ぐのです。



続く


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石川 尚

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