空売りとは証券会社から株式を借りて先に売却し、その株が値下がりした時点で 買い戻す事で利益を得る投資方法です。一般的に株の空売りは株を買う場合と比較しリスクが高いと言われています。そこで今回は似たような売買ルールをもとに、株を買った場合と空売りした場合を比較しどのような違いがあるかについて調べてみました。
まず株式を買う場合と空売りを行う場合のどちらがリスクが高いかを調べるため、下記の条件で検証を行いました。
検証条件
対象:東証1部貸借銘柄
検証期間:2006年~2010年
(買いの場合)
買いルール:株価が100円以上かつ終値と25日移動平均線のかい離がマイナス20%以下
売りルール:含み益が+20%以上、もしくは30日以上経過
(空売りの場合)
売りルール:株価が100円以上かつ終値と25日移動平均線のかい離がプラス20%以上
買いルール:含み益が+20%以上、もしくは30日以上経過
検証の意図としては、25日移動平均線からかい離して大きく下落した場合に買い付ける売買ルールと、25日移動平均線からかい離して大きく上昇した場合に空売りを行う売買ルールの成績を比較することでどちらのリスクがどのように高いのか確認します。さっそく検証結果を見てみましょう。まず「買いの場合」です。
買いの場合
勝率: 50.15 %
勝ち数: 167 回
負け数: 166 回
引き分け数: 1 回
平均損益(円): 5,234 円 平均損益(率): 1.74 %
平均利益(円): 53,078 円 平均利益(率): 17.69 %
平均損失(円): -42,868 円 平均損失(率): -14.29 %
合計損益(円): 1,748,001 円 合計損益(率): 582.67 %
合計利益(円): 8,864,051 円 合計利益(率): 2,954.71 %
合計損失(円): -7,116,050 円 合計損失(率): -2,372.04 %
最大連勝回数: 9 回
最大連敗回数: 11 回
最大ドローダウン(簿価ベース): 836,806 円(2009/02/24)
最大ドローダウン(時価ベース): 1,066,842 円(2008/10/08)
プロフィットファクター: 1.246
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 28.11 日
資産曲線は右肩上がりでまずまずの成績と言えるでしょう。今回は買いと空売りどちらのほうがリスクが高いのかを調べたいので検証結果のなかでも、平均損失率と最大ドローダウン(時価ベース)に注目してください。
買いの場合の平均損失率は約14%、最大ドローダウンは107万円となっています。次に空売りの検証結果を見て、買いの場合と 比較してみましょう。