株価が安値を更新する状況を説明すると、安値を更新するというのは、それまでに買った人全てが含み損を抱えている状態だといえます。
つまり株を持っている人が含み損が膨らみ不安でたまらない状態なのです。
そして安値を更新するたびに耐え切れなくなった人が損切りを行い、そのことでまた株価が下がり、また耐えられなくなった人が損切りを行うといった形で
どんどん株価が下がる状況が想定されます。
実はこのような安値を更新するような状況で採るべき戦略は決まっています。その戦略とは「安値ブレイクアウト」と呼ばれる投資手法です。
安値ブレイクアウトとは、一定期間の安値を更新したときに売り、一定期間の高値を更新したら買い戻すといった戦略です。今の日経平均を例に詳しくご説明します。
日経平均の安値ブレイクアウト
日経平均株価は9月に入り、これまでの安値だった震災後3月18日につけた8605円の終値を下回りました。そこで安値を更新したと考え、「180日間の安値を更新したら日経平均を空売りし、90日間の高値を更新するほど戻したら手仕舞う」といった戦略で運用したと考え、検証しました。検証の結果は以下のとおりです。安値ブレイクアウト(空売り)
勝率: 69.23 %
勝ち数: 9 回
負け数: 4 回
引き分け数: 0 回
平均損益(円): 17,388 円 平均損益(率): 1.74 %
平均利益(円): 82,484 円 平均利益(率): 8.25 %
平均損失(円): -129,077 円 平均損失(率): -12.91 %
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 214.31 日
日経平均が180日間の安値を更新したときに空売りを行うといった戦略の勝率は70%近く、平均損益もプラスといった結果になりました。
ちなみに同じ条件で買いポジションを持った場合の成績はこのようになります。
安値ブレイクアウト(買い)
勝率: 30.77 %
勝ち数: 4 回
負け数: 9 回
引き分け数: 0 回
平均損益(円): -17,388 円 平均損益(率): -1.74 %
平均利益(円): 129,077 円 平均利益(率): 12.91 %
平均損失(円): -82,484 円 平均損失(率): -8.25 %
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 214.31 日
空売りの場合と買いの場合の成績を見比べると、勝率、平均損益ともに空売りの方が成績がいい結果だというのがお分かり頂けると思います。
今回の日経平均下落局面がいつ終わるのか、いつ上がるのか私には分かりません。ただ株価の先行きは分からなくとも、統計的に有利なポジションはどちらかを分析し、有利な方にポジションを持つだけで投資の成績は改善されると思います。みなさんもぜひ一度検証してみてください。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)