株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

円高が終わる可能性は?

円高が急速に加速しています。7月13日にドルが78円台に突入し、ユーロも一時110円を割り込みました。果たして急速な円高はこのまま続くのでしょうか。過去の為替データを使って簡単な検証を行いました。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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1ドル80円割れ、90円割れ、100円割れの局面を検証

今回7月12日に1ドル80円を割り込んでから1日で78円台に突入したように為替や株は節目と言われる切りの良い価格を割り込むと値動きが加速すると言われています。そこでドル円について節目である1ドル80円、1ドル90円、1ドル100円を割り込んだときにドルを買い、含み損益が10%に達するまで保有したと仮定して検証を行うことで、過去節目を抜けたドル円がどのように動いたかについて分析してみました。検証の条件は以下のとおりです。

検証条件

検証期間1990年~2011年3月
買いルール:為替がそれぞれ1ドル80円、90円、100円以下かつ過去100日間の最安値を更新したとき
売りルール:含み損益が10%以上

まず1ドル80円を切ったときの検証結果から見てみましょう。

1ドル80円を切ったケース

システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人


勝率: 100.00 %
勝ち数: 2 回
負け数: 0 回
引き分け数: 0 回
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 54.50 日

1ドル80円を割った期間は95年の超円高局面と2011年3月しかありません。そのため勝率100%となっています。過去2回の局面においてはいずれも短期間で円高が進んだのでその分リバウンドも早く、平均保有期間は約55日となっています。次に90円を切ったケースを見てみましょう。

1ドル90円を切ったケース

システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人


勝率: 60.00 %
勝ち数: 3 回
負け数: 2 回
引き分け数: 0 回
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 122.40 日

1ドル90円を割った局面は過去5回あり、勝率60%という結果になりました。ここで注目したいのは平均保持日数です。平均保持日数が122日と言うことは為替の水準が10%動くまでに要した期間が約122日と言うことです。為替のトレンドが変化するまでには案外時間がかかりそうだという結果になりました。最後に1ドル100円割れの検証結果を見てみましょう。

1ドル100円を切ったケース

システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人


勝率: 57.14 %
勝ち数: 4 回
負け数: 3 回
引き分け数: 0 回
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 156.29 日

1ドル100円を割り込んだ局面は過去7回あり、4勝3敗という結果になりました。平均保持日数も156日と長くトレンドの決着が着くまで半年近くかかった結果となりました。これまでの検証結果から今回の円高局面を考察すると・・・

・1ドル80円からさらに10%円高が進むと考えるよりは10%円安に進むと考えた方が勝率はやや高い(約60%)。

・為替のトレンドの決着が着くには約150日前後の日数がかかってもおかしくない


の2点が挙げられると思います。ポジションを持つなら円安方向、ただし決着がつくまでにはそれなりの期間が必要なのでレバレッジはあまりかけない程度にポジションを持つのがいいかもしれません。このように過去のデータを分析することで数字の裏付けをもってトレードすることが出来ると思いますぜひ過去のデータを使って分析してみてください。

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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