予防接種・ワクチン/その他の病気の予防接種

B型肝炎ワクチンの接種・時期・副作用

諸外国では、定期接種になっているB型肝炎ワクチンは、日本ではリスクのある人だけに行われています。B型肝炎は、血液を介して感染する肝炎。それを予防するためのB型肝炎ワクチンについて説明したいと思います。

この記事の担当ガイド

法律、経済など多くの資格をもつ現役のアレルギー・小児科医師

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

B型肝炎とは

肝臓に炎症を起こすウイルスは数多くありますが、特に肝臓に感染しやすいウイルスを肝炎ウイルスと言い、種類としてA型、B型、C型、D型、E型があります。
肝臓

体の右側にある肝臓に感染するウイルスがB型肝炎です



B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスが主に血液や体液を介して感染して肝炎を起こす病気です。感染すると、約30%の人が急性肝炎と言って、黄疸、発熱、倦怠感などが見られます。多くは自然に治ってしまうのですが、約2%に肝炎が急速に進行し、肝臓が数日で機能しなくなる劇症肝炎があります。劇症肝炎になってしまうと死亡率が70%と重症な肝炎です。

肝炎ウイルスに感染した人の10~15%に慢性肝炎、肝細胞がん(肝がん)、肝臓が炎症で細胞が無くなって固くなってしまう肝硬変になってしまいます。

B型肝炎ウイルスを持っている女性が妊娠、出産する時に、新生児にB型肝炎ウイルスが入ってしまい、ウイルスを持った状態になるキャリアーになってしまいます。キャリアーになってしまうと、感染力を持ち、自らも慢性肝炎、肝細胞がん、肝硬変になってしまう可能性があります。

参考:B型肝炎の症状・検査・治療

キャリアー、劇症肝炎の予防として、ワクチンがあります。

B型肝炎ワクチンとは

B型肝炎ワクチンとは、B型肝炎の成分を使って免疫をつける不活化ワクチンです。免疫を高めるためのアジュバントという免疫増強剤にアルミニウムを使っています。しばらくすると抗体が下がってしまうため、何回かワクチンをする必要があります。B型肝炎ウイルスを持った母親から生まれた赤ちゃんには保険診療で予防ができますが、一般的には任意接種として自費になっています。

医療従事者には、労働災害の観点から勤務先の医療機関負担で行っていることが多いです。私自身も研修医になった時に、ワクチンの接種を受けて、現在もB型肝炎の抗体の値を年に1回チェックしています。

B型肝炎ワクチンの対象年齢と接種間隔

■B型肝炎ウイルスを持った母親から生まれた赤ちゃん
B型肝炎

赤ちゃんにB型肝炎がうつらないように予防接種をします

赤ちゃんにB型肝炎ウイルスの侵入を防ぐことが大切です。まずは、生まれてから48時間以内にB型肝炎ウイルスに対する免疫グロブリンを注射します。生後1カ月の時に検査して、B型ウイルス感染を起こしていないと判ると、B型肝炎ワクチンの接種を行います。生後2カ月、3カ月、5カ月の3回行います。生後6カ月時に免疫ができているかどうか確認します。接種量は0.25mlです。

■医療従事者の予防および任意接種の場合
1回目接種後、4週間後に2回目の接種を行います。その後、6カ月後に追加接種を行います。接種量は0.5mlです。

B型肝炎ワクチンとは別のワクチンを接種するまでに空ける期間では、6日以上です。

B型肝炎ワクチンの副作用

副作用としては、接種を受けた10%程度の人に、打った後の体のだるさ、頭痛、注射部位が赤くなったり、腫れたり、痛くなったりします。

B型肝炎ワクチンの課題

B型肝炎ワクチンは世界の多くの国では定期接種となり、WHO(世界保健機関)は1992年、B型肝炎の感染源の撲滅と肝硬変や肝臓がんなどによる死亡をなくすために、子どもたちに対して、生まれたらすぐにB型肝炎ワクチンを国の定期接種として接種するように指示しています。そして、ほとんどの国で定期接種になっていて、これを「ユニバーサルワクチネーション」と呼んでいます。

日本は、B型肝炎の母親からの出生した赤ちゃんだけを対象にしています。

様々な経路から侵入する可能性のあるB型肝炎を減らすためには、「ユニバーサルワクチネーション」が望ましいです。B型肝炎を持っている人は日本では戦後の注射針の使い回しのため多く存在すると推定されていること、東南アジアではまだB型肝炎が見られることから、日本では定期接種化が望ましいです。

更新日:2012年08月07日

あわせて読みたい

    この記事を読んで良かったですか?

    良かった

    70

    この記事を共有する