日本は、
1970年の調査で「高齢化社会(7.1%)」に、
1995年の調査で「高齢社会(14.5%)」に、
2007年の調査で「超高齢社会(21.5%)」になりました。
2010年では、23.1%です。
つまり、現在の日本は、すでに、5人に1人が高齢者という時代を迎えているのです。
少子化に伴い、高齢化率は今後、さらに上昇するでしょう。勢いを増す高齢化で、主役である高齢者の“性”は、どう変わるのでしょうか。
65~69歳男性の18%が月2~3回性交
日本性科学会・セクシュアリティ研究会が、配偶者のいる40~70代の男女1000人を対象に、1999年10月~2000年3月にかけて行った調査によると、高齢者と呼ばれ始める65~69歳男性のうち、週2回以上性交をする人は2%でした。それ以外の頻度では、
週1回=7%
月2~3回=18%
月1回=12%
年数回=27%
この1年なし=35% となっています。
同年齢層の女性では、
週2回以上=0%
週1回=8%
月2~3回=20%
月1回=8%
年数回=23%
この1年なし=43% でした。
この年齢に近い方は、ご自分の実績と比べられると興味深いと思います。この調査は、配偶者との性交に限定したもので、いわゆる「婚外交渉」は反映されていませんが、男女とも、年齢層が上がるにつれて「この1年なし」の割合が明らかに増えています。
「性欲は加齢とともに衰える」という誤解
性行動のゴールは人それぞれ。生涯現役を貫く頼もしい先輩も
その一方で「生涯現役」を生きがいに、パートナーとの豊かな性生活をエンジョイしている高齢者も少なくありません。
実際、調査の最高年齢層である75~79歳では、男性の11%、女性の17%が「月2~3回性交する」と回答しています。
人間の性行動に年齢的な「始め」はあるものの、決まった「終わり」はありません。にもかかわらず、高齢者の性については「性欲は加齢とともに衰える」という誤解が一人歩きしているようです。
そのため、超高齢社会を迎えているのに、高齢者の自由な恋愛や性行為を蔑(さげす)んだり、呆れたりするなど、高齢者の性を否定的に捉える風潮が根強いのが現状です。
セクシャル・ライツ
十人十色と言われるように、性に対する構え方は、人それぞれ。ですから、世間の目や実年齢をいたずらに気にすることなく、パートナーとの満ち足りた性生活を楽しんだり、精神的なつながりを大切にしたりするのは素晴らしいことです。性行動による刺激=快感は、最終的には脳で受け止めるのですから、感じ方やその大きさに個人差があるのは当然でしょう。他人の流儀に惑わされず、マイペースで性を楽しむ余裕をもちたいものです。
年齢によっては、パートナーに先立たれる場合があるでしょう。生別か死別かを問わず、新たなパートナーと出会う機会に恵まれることがあるかもしれません。
人が誰でも生まれつきもっている「性的に幸せになる権利」を「セクシャル・ライツ」といいます。この考え方で大切なのは「こうありたい」と願う自分の気持ちを、高齢者が生きがいと捉え直して、充実した人生設計に役立ててもらうことです。
豊かな性生活に必要なのは「基礎体力」
パートナーと触れ合う時間や空間で深められる愛もある
同じことが、性生活にも言えます。力が有り余っている若いときは、勢いと回数で自分の快感を満たすことが多いでしょう。しかし、中高年になると、回数よりも1回あたりの深さを追い求めるようになります。
また、自分の欲求だけでなく、パートナーと一緒に過ごす時間や空間を重視するようにもなります。場合によっては、挿入をしなくてもお互いの肌に触れ合うだけで精神的な安らぎを覚えることもあるでしょう。
高齢者の性に「引退年齢」はありません。むしろ、奥深い性の世界に関心をもち、新鮮な興味を抱くことは若さを保つための、よい刺激となるはずです。
高齢者が豊かな性生活を送るためには、食生活や健康管理に注意を払い、基礎体力をつけておくことが大切です。体力と体調に応じて行われる性生活は、適度な全身運動にもなるでしょう。
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