ロジカルシンキング/ロジカルシンキングの基礎知識

ロジカルシンキングの鍛え方! 日常でできる訓練

今回は、日常でもできるロジカルシンキングの鍛え方を紹介します。ロジカルシンキングは、鍛えれば鍛えるほど研ぎ澄まされていくスキルです。使って実践してこそ初めて生きてくるタイプのスキル。仕事以外の日常のシーンでも、頭をフル回転させて訓練してみてください。

執筆者:大石 哲之

日常でできる、ロジカルシンキングの鍛え方

ロジカルシンキングの鍛え方

ロジカルシンキングは訓練で伸びるスキル

ロジカルシンキングは、鍛えれば鍛えるほど研ぎ澄まされていくスキルです。そして英語のように使って実践して初めて伸びるタイプのスキルだと言えます。

ロジカルシンキングは生まれつきのスキルではなく、後から訓練で獲得できる部分がほとんどを占めます。その訓練はマラソンのようなもの。ひたすら訓練することによって少しづづ伸びていくという類のものなので、一発逆転ホームランがありません。ロジカルシンキングも、常に物事を考える習慣、考えはじめたら徹底的に考える習慣をつけることによってのみ上達するのだと思います。

とはいっても、仕事でいつもロジカルシンキングを使うわけでもないという方にとっては、思考訓練の時間も限られます。そこで、日常でもできるロジカルシンキングの鍛え方を紹介します。仕事以外の日常のシーンでも、頭をフル回転させて訓練してみてください。
 
<目次>
 

曖昧な言葉を排除する過程で鍛えられる

先日、私のiPhoneが突然壊れてしまいました。これを人に伝えたり、理解してもらうときにどう表現するでしょうか。

たいがいは「壊れた」ということで曖昧な表現で終わらせるはずです。しかし「壊れた」というのはどういうことか?面倒くさくてもあえて具体的な言葉にして、曖昧さを排除してみることが思考力の訓練になります。

私のiPhoneの場合「通話ができない」です。通話ができないでもまだ曖昧。具体的にすると、「マイクが使えない」「スピーカーから音が出ない」の2つの組み合わせになります。さらに言うと、「スピーカーから音がでないうえ、イヤホンさえも使えないので、物理的にスピーカーがこわれたのではなく、内部の音声回路に故障がある」と表現していきます。このようにして曖昧な部分をなくすようにしていきます。

曖昧さを排除するには、正確で間違いない言葉遣いをしないといけません。最初は自分が曖昧でイメージだけで喋っていることに気づくかもしれませんが、それがスタートです。訓練していくうちに、正確な表現ができるようになっていきます。
 

抜け漏れダブリを徹底的に考え抜く

MECEをつかって物事をとらえる訓練をする

MECEをつかって物事をとらえる訓練をする

ロジカルシンキングではMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)という概念があります。漏れなくダブりなくという概念です。物事を常にMECEで考えるというのは非常に難しく、逆に言えばMECEで物事を捉えられるようになればロジカルシンキングは合格だといえます。

先程の電話が壊れた例を題材にMECEで考えてみましょう。電話が壊れた場合どうすればいでしょうか?
まず、買う、修理するの2つの選択肢が思いつきます。しかし実は「なにもしない(電話は買わない)」という選択肢もあります。これが漏れです。電話は買わないという選択肢は現実的には難しいのでこの選択肢は取らないかもしれませんが、無意識に除外してしまっている選択肢をあえて全部リストアップ。抜け漏れなく考えてみる訓練がMECEを鍛えることになります。

「買う」にしても、もうすこし具体的に考えて、「買う」ではなく「電話が手元にあればいい(=つまり電話が利用できるようにする)」とすれば、
  • 買う
  • 借りる
  • もらう(交換する)
の3種類の方法があることに気付きます。一見当たり前のように思える前提を徹底してMECE分解して抜けや漏れをチェックしていくと、面白い発見につながることも。もしかしたら自分が不要なものと交換で電話を譲ってくれる人がいるかもしれません。

MECEで考える力を付けるには、当たり前と思っていることを疑ってかかるということがとても大事です。
 

電車のなかで考える

電車の中でもロジカルシンキングは鍛えられる

電車の中でもロジカルシンキングは鍛えられる

大前研一氏は、著書『考える技術』の中で、電車のなかでも常に考え続けて思考力を高めたと書いています。毎日の通勤電車のなかの広告をみてテーマを决める。そしてその社長に売上を伸ばす方法をコンサルティングするなら、どういうことを言うかを降りる駅までに徹底的に考えたといいます。たとえば、

「ポルシェの売上を伸ばすには?」
「牛丼の売上をふやすには?」
「スノーボードの売上を増やすには?」
「ロボットフェスタ神奈川の入場者を増やすには?」
「CG検定試験の受験者を増やすには?」

などなど。いくらでもネタが思いつくはずです。これを一定のフレームワークをつかって考えてみます。

売上=販売数x単価 なので、

・販売数を増やせないか?

そのために
・新しい顧客に買ってもらえないか?
・買わなくなってしまうひとを防げないか?
・購買の頻度を高められないか?


次に価格を考え、
・価格をあげられないか?

そのために
・前後のサービスや付加価値を加えられないか?
・機能や稀少性などをたかめられないか?


など。フレームワークを設定して、中吊りのあらゆる製品に対してこれを繰り返します。最初は時間がかかってしまうかもしれませんが、毎日繰り返していると、わずかひと駅ほどでポイントがわかるようになってきます。

ロジカルシンキングを鍛えるには、常に考え続けることが大事です。ロジカルシンキングを駆使して仕事をしているといわれるコンサルタントファームの人は、それこそ寝ている時間以外は常に考え続けているといわれます。それほどまでに、考えることを繰り返し訓練することによって、コンサルタントの人たちも能力を伸ばしているのです。

みなさんにも日常のちょとした場面をつかって考える訓練を継続して欲しいと思います。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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