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言葉の暴力、強引なセックス……DV相談・対処法

配偶者から与えられる暴力「DV」。交際相手からの暴力「デートDV」。殴る、蹴るなどの身体的な暴力だけでなく、被害者も気づきにくい精神的暴力や性的暴力も含まれます。公的な相談支援の情報のほか、パートナーからの暴力被害の防止のポイントをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

内閣府が期間限定で設置!
性暴力、DVの24時間電話相談『パープルダイヤル』

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DVと性暴力に関する24時間電話相談『パープルダイヤル』

性暴力や配偶者からの暴力(DV)に関して、内閣府は無料で24時間相談を受け付ける電話相談窓口『パープルダイヤル』を2011年2月8日から3月27日まで設置しています。被害者本人だけでなく、家族や友人などからの相談も受け付けています。もちろん匿名でも大丈夫です。

パープルダイヤル 0120-941-826(2011年2月8日~3月27日)

2001年に制定された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(以下、「DV防止法」)の制定を受けて、平成2002年4月から各都道府県に配偶者暴力相談支援センターが設置され、配偶者からの暴力(DV)に関する相談等、公的な支援が全国で行われてきました。しかし国が、あらゆる性暴力被害における24時間体制の電話相談を行うのは、今回が初めてとなります。


そもそもDVとは?

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「DV」に含まれる暴力は身体的暴力だけではない!

いわゆる「ドメスティック・バイオレンス」(DV)とは、具体的にどんなものを指すのでしょう?

DVとは、配偶者から与えられる暴力のこと。婚姻関係にはなくても、同棲などの関係にある(あった)相手からの暴力も対象となり、「DV防止法」では、婚姻届を出していない「事実婚」のケースや、離婚後の配偶者から引き続き受ける暴力も「配偶者」からの暴力であり、支援の対象となることが明記されています。

DVにあたる「暴力」は、殴る、蹴るなどの身体的暴力に限りません。DVは、一般的に次の3つの種類に分けられているのです。

1. 身体的暴力
叩く、殴る、蹴る、凶器を体に付きつける、首を絞めるなどのように、身体に直接的な被害を与える暴力。傷害や暴行として刑法でも処罰の対象とされうる違法行為。

2. 精神的暴力
身体に危害は与えないが、暴言や悪質な行為によって精神的なダメージを加えること。その衝撃が深い心の傷となり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になると、刑法上の傷害罪に当たることも。
(例)
  • 「誰のおかげで飯を食えているんだ」などと暴言を吐く
  • 実家や友人とのつきあい、仕事に行くのを制限する
  • 生活費を渡さない
  • 何を言っても無視をする
  • 人の前で馬鹿にしたり、大声で怒鳴ったり、命令口調で物を言う
  • 暴力を加えるふりをして脅す

3. 性的暴力
嫌がっているのに強引に性的行為に及んだり、望まない妊娠や中絶など、身体と精神の被害につながる行為をする。
(例)
  • 性行為を強要する
  • 避妊に協力をしない
  • 中絶を強要する

参考:内閣府男女共同参画局『配偶者からの暴力被害者支援情報』

「DV防止法」に基づき、裁判所からの「保護命令」(被害者や子どもへの接近禁止と、退去の命令)の対象となる暴力は、身体的な暴力と、生命と身体に危害を加える強迫になりますが、配偶者暴力相談支援センターにおいて、DV被害として相談の対象となるのは、すべての暴力です。

全国の配偶者相談支援センターで受けた年間相談件数は、DV防止法が施行された2002年度には約3万6千件でしたが、7年後の2009年度には、7万3千件弱と約2倍に増加しています。また警察で対応した配偶者からの暴力対応件数も、2002年度では約1万4千件だった対応件数が2009年度には約2万8千件とこちらも7年後には約2倍に増加しています。

こうしたデータからも、被害者やその家族におけるDV被害への認知の高まりと、相談対応や公的な支援に関する期待の高まりが感じられます。
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