栄養管理/たんぱく質

動物性蛋白質・植物性蛋白質の効果・役割・不足

私たちの体の約20%はたんぱく質、60~70%は水分からできています。たんぱく質はとても大切な栄養素で三大栄養の1つです。私たちが食べるたんぱく質には、「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」の二つがあります。それぞれの役割や効果などを説明します。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

私たちの体の約20%はたんぱく質、60~70%は水分からできています。たんぱく質はアミノ酸がたくさんくっついたもので、筋肉・内臓・皮膚・ホルモン・爪・毛髪など人の体のいろいろな部分を構成している非常に大切なものです。私たちの体は20種類のアミノ酸からできています。私たちが食べるたんぱく質には、「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」の2つがあります。

たんぱく質の話をするときに、よく必須アミノ酸、非必須アミノ酸が出てきます。必須アミノ酸は、体内で作ることができないので必ず食事から摂取する必要があります。非必須アミノ酸は体内で作ることができます。非必須アミノ酸は、そのネーミングのせいか、あまり重要でないと勘違いされる場合も多いのですが、とても大切な役割があります。私たちの体に不可欠だからこそ体内で作れるのでしょう。

また、食材のアミノ酸バランスを示すアミノ酸スコアというのもよく耳にするかと思います。アミノ酸スコアは様々な食材を食べ合わせることで良好になります。いずれにしても、様々な食材からたんぱく質を摂取することで、体内でアミノ酸を有効活用することができます。

動物性たんぱく質の役割・効果

豚肉

動物性たんぱく質もしっかり摂取しよう!

動物性たんぱく質は、肉、魚、卵、チーズ、牛乳などに含まれています。動物性のたんぱく質は、植物性たんぱく質と比較して体内で利用しやすく、牛乳、肉、卵などから摂取するたんぱく質の90~99%が使われます。動物性たんぱく質を摂取すると必要なたんぱく質量を満たしやすくなります。十分なたんぱく質の摂取は、内臓や爪、髪の毛などの健康に役立つだけでなく、免疫力を上げたり、体のむくみを防いだりします。

ただし、動物性たんぱく質には飽和脂肪酸やコレステロールが多く含まれているので、メタボが気になる人、コレステロールが高い人、心臓病のリスクがある人などは、脂質やコレステロールの少ない食材を選ぶことも大切です。また、赤肉を大量に食べる人では、骨折のリスクがあがるとする見解もあります。動物性たんぱく質に限ったことではありませんが、適量を食べることが大切です。

動物性たんぱく質の不足

たんぱく質が不足すると、疲れやすくなったり、体がむくんだり、免疫力が低下して体調を崩しやすくなります。たんぱく質不足が進行すると、筋肉、内臓、皮膚、つめ、髪などに異常が現れます。爪が割れたり、髪が抜けやすくなったり、皮膚に張りがなくなったりするのは、たんぱく質不足が深刻であることを現します。現代では、ダイエットや偏食によりたんぱく質不足がみられます。アミノ酸スコア、必須アミノ酸の観点などからも植物性たんぱく質も適度に摂取することが大切です。

特に、妊婦、子供、高齢者が、何らかの理由により動物性たんぱく質が十分とれない場合は、管理栄養士などの専門家と相談しましょう。妊婦や子供では発育異常につながることがあります。高齢者ではタンパク不足による免疫低下などが深刻な病気につながることがあります。

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