MBA・ビジネススクール/MBAとキャリア

企業派遣と私費でのビジネススクール進学(2ページ目)

企業派遣と私費でのビジネススクール進学について説明します。日本の企業派遣制度の歴史や、企業派遣の位置づけ、企業派遣生選抜方法を最初にお話します。その後、私費でビジネススクール進学する方が増えている背景、キャリア上の問題点、進学資金の調達方法をお伝えします。

福原 正大

執筆者:福原 正大

MBA・海外留学ガイド


私費でのビジネススクール進学

私費でのビジネススクール進学とは、自らがビジネススクール費用を全て負担し、国内外のビジネススクールに通うことを指します。欧米の学生のほとんどは私費でビジネススクールに通っており、世界的には一般的な進学形態。日本では夜間のビジネススクールこそ私費での進学がほとんどですが、全日制の国内外のビジネススクールに私費で進学する学生の割合は、1999年で30%程度。2008年では海外のビジネススクールで50%、国内のビジネスクールでは70%程度でしかないのが現状です。


私費でビジネススクールに通う価値

私費でビジネススクールに行くことは未来への投資としてじっくり考える

私費でビジネススクールに行くことは未来への投資としてじっくり考える

私費でビジネススクールに進学することは、短期的な費用負担は個人にとって甚大です。それにもかかわらず私費でビジネススクールに進学する理由は、ビジネススクールで得る知識や人材が、自らがやりたい仕事をする上で有効であり、そうした付加的なスキルから得る将来的な金銭的や精神的な満足感が、短期的な費用負担を上回ると考えるためです。

こうした学生は、企業派遣の衰退と対比するように増加してきています。1つの解釈は、やりたい仕事の目的が明確化している人材が、現在の能力とやりたい仕事をするために必要な能力の差を埋めるMBA取得を目指し、企業派遣の対象にならないのであれば、自らビジネススクールに行こうという積極的な姿勢でしょう。私費でのビジネススクール進学は、MBA取得後、取得前に働いていた会社に戻る義務が生じないためその後の仕事を自由に決定できるのです。

しかし、私費進学の場合でもこの自由度がなくなる場合があります。特に、海外のビジネススクールに進学した場合は資金負担が大きいため、資金を金融機関や親戚から借り入れることが多くあります。ビジネススクール卒業後、給与の高い外資系の投資銀行やコンサルティングファームで5~10年程度勤務し、留学費用の返済にあてることになるのです。私費留学では、留学による財政面からの圧迫が留学後の仕事内容にどのように影響するのかを見極めたうえで、留学することが必要です。


奨学金の活用方法

財政面に関してはMBA取得後の行う仕事に制約を少しでも加えないためにも、奨学金の有効活用をして下さい。

私費でビジネススクールに通学する学生に対して、最大の奨学金提供先は進学する学校そのものになります。在校中の成績などにより、学費に相当する程度までの奨学金がでる場合もあります。まず進学先のホームページなどでしっかり調べて下さい

進学する学校以外で、MBA取得のための奨学金をとることができる機関先を下記に挙げておきます。

フルブライト奨学金
日米出資による政府の奨学金で、日本でも非常に有名。以前は、MBA取得目的者は対象ではなりませんでしたが、近年含まれるようになりました。

独立行政法人日本学生支援機構
奨学金制度(返還義務有)の運営及び国内外学資奨学金制度情報の提供。奨学金関連の情報が充実している。


将来行いたい仕事が(漠然と)あり、その仕事を行うために必要な知識・人脈を得るためにビジネススクール進学を目指す私費でのビジネススクール生が増えることは、日本が成長を続ける原動力になります。海外留学を目指すのでであれば、世界の友人が増え、世界を舞台に自らの新しい可能性を得ることができるでしょう。明日のグローバル人材が1人でも増えることは、日本にとっても、世界にとっても素晴らしいことだと思います。

短期的には国内ビジネススクールでは200万円程度、海外ビジネススクールでは2,000万円程度の多額の財政負担にはなります。しかしながら、能力が高まることで給与の増大につながる可能性は当然高くなります。それ以上に、行いたい仕事ができるようになる能力をつけることは精神的にも人生を豊かにするでしょう。リスクを取らなければ、リターンもないのです。ぜひ、頑張って下さい。心から応援しています。

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