腰痛/腰痛の原因・しくみ・腰痛に潜む病気

腰痛の原因は腰のせいだけではない!腰の痛みのきっかけは?

【カイロプラクティック理学士が解説】腰痛の原因は、腰のせいだけではありません。長時間の同じ姿勢や運動不足、メンタル面の緊張など、心理的な影響、社会的な影響も関わっているようです。考えられる腰痛のきっかけや、発症のメカニズムを解説します。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

腰痛の原因は腰のせいだけではない

腰痛の原因は腰のせいだけではない!腰の痛みのきっかけは?

腰痛には病気に関連するものや、機能的な問題から生じるものなどがあります

腰痛には、ぎっくり腰のように突然おこる急性腰痛症から、繰り返し起きるしつこい慢性腰痛症まであります。中には、腰のせいではなく、内臓の疾患のせいで腰に痛みが出るケースもあり、その原因、程度、頻度も様々です。

以前は、明らかな背骨の疾患や、内臓が原因の痛み以外の腰痛は、関節や筋肉の損傷や負担が原因という見方が主でしたが、近年ではそれだけではなく、心理的な影響、社会的な影響も腰痛の原因に関わっているのではないかという見方も多くなってきました。腰にも内臓にも検査で異常がみられなくても、精神的ストレスだけで腰痛が起こるケースがあるようなのです。様々な原因を、詳しく見ていきましょう。
 

姿勢が原因の腰痛はなぜ起きる? 

腰痛の原因は腰のせいだけではない!姿勢が原因の腰痛はなぜ起きる?

長時間のデスクワークで腰痛に悩む人はとても多いです

体を酷使する肉体労働でも、長時間座り続けるデスクワークでも、腰痛になることがあります。

腰に無理がかからない姿勢を取れば、腰を支える筋肉の働きもしっかりしてくるのですが、体にとって良くない姿勢を取り続けてしまうと、腰に悪い刺激が入り、腰を支える筋肉の力が弱まってしまうことがあります。

それが毎日のように繰り返されると、椎間板の水分が減少し、後々、そこに亀裂が入るといった変化が起こる可能性もあり、状態によってはそれが原因で、腰痛や関連する症状を引起すことにもなりかねません。

※ヘルニアや関節の変形などが直接腰痛に結びつかないケースもあります。
 

運動不足が原因の腰痛……いたわり過ぎが裏目に? 

ストレッチ
毎日少しずつでもストレッチや体操を続けて、腰部の筋肉を柔らかくしましょう
腰を酷使しなくても腰痛にはなります。腰痛の人は、腰を支えるための複数の筋肉が、緊張して硬くなっていることが多いようです。

これは、軽症のうちであれば、腰周りの筋肉を柔らかくするような、簡単なストレッチや運動で、ご自身で緩和させることが可能です。

しかし、腰周りをほぐすような運動をせずに、筋肉の硬くなり始めを放置しておくと、ちょっとストレッチをしたくらいでは、腰痛が楽になることを実感しにくくなります。
 

精神的な緊張が原因の腰痛は意外と多い? 

頭の中であれこれ考えるといった、精神的な負担を余儀なくされながら、荷物を抱える作業などを行っている時、腰背部の筋肉へかかる負担は、精神的負担がない時よりも、かなり増加すると言われています。

また、腰痛の痛みに耐えたり、腰の心配をして不安になったるすることで、余計にストレスが増してしまい、腰痛が慢性化してしまうこともあります。中には、うつ病と関連しているケースもあります。
 

腰の痛みのきっかけはコレが多い!

皆様から「腰痛になる時は、だいたいいつもコレがきっかけなんですよ。」という話をよく伺うのですが、その多いものを挙げてみます。この時、腰部の筋肉は過剰な緊張を強いられている可能性があります。
  • 長い時間パソコンをしている時
  • 会議でじっと座っている時
  • 出張で新幹線や高速バスに座り続けている時
  • たまにしか履かないハイヒールで歩いた後
  • ストレスがたまってイライラが続いた時
  • マラソンやサッカーなど、運動をした後
  • 寒い場所にじっとしていた日を境に
  • 重い荷物を持ち上げた瞬間
  • 体重が急激に増えてから
  • 布団や枕を変えてから
  • たくさん寝過ぎてしまったと感じた朝
 

腰痛の起こるメカニズム

骨格
関節や神経の異常が疑われる場合、病院での検査が必要になるケースもあります
背骨は積み木のように積み重なっている「椎骨」という24個の骨と、骨と骨の間でクッション材の役割をする「椎間板」から成り立っています。

背骨の中央には、脊髄神経が通っている縦に長い「脊柱管」という孔があります。そして「椎間関節」という関節がそれぞれの節にあるため、腰をかがめたり伸ばしたりなどの柔軟な動きが可能になります。

おおまかに挙げてもこれだけの構造をもっているわけですが、腰痛を起こす時には、これらの構造を支える靭帯や筋肉、それを機能させる神経なども関わります。

何かの原因によって、椎間板が飛び出してヘルニアになったり、脊柱管狭窄症のような神経を刺激する状態になると、腰痛や下肢痛、しびれなどを生じます。

また、日常多くみられる腰痛のように、筋肉の疲労により、腰を支える筋肉の力が低下すると、血液循環も悪くなり、痛みを出す物質が産生され、筋肉の緊張も強まります。すると腰部の不快感や痛みが繰り返し起きるようになってしまうのです。

■参考資料
心因性腰痛」(公益財団法人 日本医療機能評価機構 Mindsガイドラインライブラリ)

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