旬・季節の食事の食べ方・レシピ

更新日:2009年12月19日

お正月のしきたり……お屠蘇を飲む意味・飲み方

新年をお迎えするお正月のお膳に、おせち料理とともにかかせないのがお屠蘇。昨今では、お酒のみで代用しているご家庭も多いようですが、御馳走の食べすぎや風邪予防に役立つ働きがあります。

新年をお迎えするお正月のお膳に、おせち料理とともにかかせないのがお屠蘇です。この酒器のセットを毎年だすたびに、子どもの頃両親や祖父母がもつ盃にお屠蘇をつぎ、いざ自分が飲むとなんともいえない味に顔をしかめた思い出が懐かしく思い出されます。

お屠蘇は、一年の健康長寿を願う薬酒

新年を寿ぐ祝いの膳に、おせち料理やお雑煮、お屠蘇がかかせません。

新年を寿ぐ祝いの膳に、おせち料理やお雑煮、お屠蘇がかかせません。料理とともにお屠蘇がつきものです。

「屠蘇」とは、「悪鬼を屠り、死者を蘇らせる」という意味があり、正式には「屠蘇延命散」、または「屠蘇散」といい、十種類近くの生薬を合わせたものです。この生薬を、日本酒やみりんに浸して、成分を抽出したものを飲みます。

お屠蘇は、中国の唐の時代に日本にも伝えられ、平安時代、嵯峨天皇の弘仁年間に宮中のお正月の儀式として、四方拝の後にお屠蘇を飲むようになったと言われています。時代がくだって一般庶民の間にも広まり、正月三が日や祝い事の日に、疫病邪気を払い、長寿幸福を得る儀式として広まりました。

昔は、各家庭で生薬を調合し赤い三角の袋に入れ、大晦日から井戸に吊しておき、元旦の朝にお酒にしばらく浸して飲んでいたそうですが、明治以後は、薬種屋で売られるようになり、また飲みやすいように、お酒の代わりに甘味のあるみりんも使われるようになったそうです。

お屠蘇に使われる生薬の働き

お屠蘇に処方される生薬は、絶対にこのブレンドという決まりはなく、種類に違いはあるようですが、だいたい白朮(びゃくじゅつ)、防風 (ぼうふう)、桔梗 (ききょう)、陳皮(ちんぴ)、桂皮(けいひ)山椒(さんしょう)、大黄(だいおう)などが使われ、人や地域によってもさまざまの違いがあります。

お屠蘇の効能は、当然その調合されている生薬によって異なりますが、おおむね健胃、吐き気止め、利尿、抗菌、咳止め、風邪予防、血液浄化、発汗促進、下痢止めなどと言われています。健胃薬や、初期の風邪にも効くことから風邪予防の薬としても飲まれてたそうです。

寒い時期、また普段より食べ過ぎ、飲み過ぎにもなりやすいお正月に、ごちそうとあわせて飲むのは、単なる儀式だけでなく、健康のためにも理にかなったものいえますね。

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南 恵子

NR(独立行政法人国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者)、フードコーディネーター。食と健康アドバ…

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