マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

専有面積が狭くなる?間取り選びの視点(2ページ目)

用地価格の上昇に伴い、新築マンションの専有面積が徐々に狭くなる傾向にあります。長く快適に住む為には、重要なマンションの居住性能。面積が縮小する中での、間取選びのポイントを紹介します。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

マンショントレンド情報ガイド

間取りは、敷地の形状や容積に左右される

マンション用地をディベロッパーがプランニングする際に、住戸の開口部の広さは、土地そのものによって制約があります。

例えば、南道路に接した立地で敷地が道路に対して横長な地形の場合と、縦長の場合では横長の地形の方が比較的間口をワイドに取れる可能性が高くなります。

逆に縦長の地形の場合は、南志向の強い日本のマンションユーザーに対し、南向き住戸を多めに設定するケースが多いため、間口は狭くなる可能性が高くなります。

南向きで、ワイドスパンの住戸は、上記のことを踏まえると、希少性は高いでしょう。規模の大きさや、建物の構造なども間口の広さに関係があります。郊外の大規模マンションの場合、南向き比率にこだわる分、中住戸の間口が狭くなるケースは、よくあります。逆に中規模マンションでは、角部屋比率が高くなる分、間口の広い住戸が多かったりします。

エコビレッジ板橋本町
エコヴィレッジ板橋本町(リブラン)の敷地配置図。採光に配慮しつつ、各住戸の間口が広くなるようにプランニングされている。

また、タワーマンションは、眺望が大きなバリューのため、ロの字型の住戸配棟にするケースが多く、間口が大きなマンションが比較的多いです。

高さ制限や、斜線規制など地区や用途地域ごとに制約があるのも事実なので、土地とディベロッパーのめぐり合わせで住戸プランが決まってくるといえるでしょう。

間取り選びで持つべき視点

折りたたみ式のガラスサッシ
最近徐々に増えてきた「折りたたみ式のガラスサッシ」。リビングとバルコニーの一体感で開放感が増す。イクシア川口元郷(ジョイント・ランド)
間取りの居住性を判断する、チェックポイントをいくつか挙げてみましょう。

■リビングは、使いやすいか?…家族が集まる場所として、過ごす時間が多いのがリビング。形状によっては、ダイニングテーブルやテレビの置く場所が合わなかったりします。バルコニーとの連動性や開放感もチェックしたいところでしょう。実際の生活シーンを一番イメージしたい場所と思います。

通常スパンの同ユニットの場合、横長リビングと縦長リビングがバリエーションとして用意されているケースが多いですが、最近では収納が若干減っても、横長リビングの方が人気がある感じがします。

■収納スペースは、充分か?…子供の成長や家族が増えることも踏まえて、収納スペースが充分か判断しましょう。収納量によっては、洋室が収納戸になってしまうことも。動線を考えると、洗面室やリビングのそばなど、収納箇所もチェックしましょう。

■プライバシーは保てるか。…専用ポーチやアルコーブの有無は、各住戸の独立性を保ち快適なマンションライフの重要な要素です。

上記の3点は、多少専有面積は狭くても押さえたいポイントだと思います。

買い替えの理由で多いのは、「広さ」。自分が満足できる住み心地は、間取りから得られる広さに、大きく左右されます。分譲マンションの専有面積が縮小するトレンドの中でも、間取りから得られる広さには、こだわりたい部分だと思います。

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