メンタルヘルス/対人恐怖症・社会不安障害(SAD)

内気過ぎる性格は、治療で治る?(2ページ目)

内向性、外向性は人の気質の一要素です。しかし内向性と劣等感が強く結びついている時は他人との関わりを避けがちになり、新しい事へのチャレンジ精神をなくしてしまうほど内気になってしまう事があります。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

回避性パーソナリティ障害の特徴

回避性パーソナリティ障害では自分に自信が持てず、他人からネガティブな反応が返ってくる事への不安や恐怖の為、思考や行動バターンに以下のようなネガティブな影響が出てきます。
  • 人と接する事が多い職業を避けてしまう
  • 自分が受け入れられると確信できないと、人の輪に入るのを避けてしまう
  • 親密な間柄であっても、恥をかかないか、からかわれないかを意識してしまい、自分の言動にブレーキがかかりやすい
  • 人前に出たような時、自分に対するネガティブな反応が他人に生じていないかに心がとらわれてしまう
  • 初対面の人と話す時、ぎこちなくなってしまう
  • 劣等感が強い
  • 恥を欠くのを恐れて、何でもないような事でも避けてしまう
回避性パーソナリティ障害の頻度は米国の統計では1~2%前後ですが、対人恐怖症がローマ字読みでそのまま英語の病名になっている事からも、日本ではもっと大きい数字かもしれません。回避性パーソナリティ障害では自分が完全に受け入れられていると確信できる環境ではあまり問題が生じないかもしれませんが、ひとたび、自分を受け入れられていた環境が失われてしまうと、上記のような問題が顕在化してしまい、うつ病など心の病気のリスクもあります。

もしも、他人にとっては何でもないような事に尻込みしやすい自分を自覚していて、自分本来の力を発揮できないようになっている時は心理療法などの治療が必要な回避性パーソナリティ障害の可能性もありますので、精神科や神経科で相談する事も考慮してみましょう。

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