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スプラウト野菜って知ってますか 気になる食材~ブロッコリーの芽

スプラウト野菜とは発芽して3日くらいの野菜の新芽のこと。ビタミン、ミネラルが多いことでも有名ですが、今回は特に抗ガン作用が高いといわれるブロッコリーの芽に注目してみました。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

スプラウト野菜ってご存知ですか?

スプラウト野菜というのは発芽して3日くらいの若い芽のことです。最近テレビなどで取り上げられたせいか、よくスーパーの店頭に並んでいます。好奇心旺盛なガイドのこと、今回はスプラウト野菜をクローズアップ。

まずは試食から

スーパーに並んでいたのはブロッコリーとマスタードの新芽。見た目はかいわれ大根の縮小版といったところでしょうか(ちなみにかいわれ大根も大根の新芽なので、スプラウトの一種。余談ですがもやしも大豆の新芽なのでスプラウト。たまにサラダの食材になっているアルファルファもスプラウトです)。

大体一パック100円くらいで売られていました。ミーハーといわれそうですが、とりあえず両方買っておうちに帰り、さて試食。味もどこかで食べたような味。なんとなくやっぱりかいわれ大根によく似ているのですね。でも、ブロッコリーの芽はそれよりくせがないマイルドな印象。逆にマスタードはやや辛め。しゃきしゃきとした食感があり、量が食べられる感じではないですが、薬味として使えそうです。たとえば、冷奴やそばの薬味、サラダなどに使うか、または三つ葉の代わりにお吸い物や卵焼きに使ってもよさそうな感じです。
さて、試食をおわって満足したところで、いったいどんな効用があるのかを調べてみようと思い立ちました。

特に注目はブロッコリーの芽

スプラウト自体もビタミン、ミネラルが豊富なことから最近アメリカの健康食品の中でもブームになっていましたが、1997年アメリカの医学者がブロッコリーの新芽にガンを強力に防ぐ作用があるという発表を行ってからブームが加熱したようです。

そもそも、ブロッコリー自体がガンを防ぐ効果が高い野菜といわれています。ブロッコリーの中のスルフォラファンという辛味成分が肝臓の解毒作用を高め、食事中の発ガン物質を壊すことでガン抑制作用があるといわれているようです。しかもこの働きは、自分の体がもともと持っている解毒作用を活性化することによって行われるので、食べてしばらくたっても効果が持続するそうです。

これはなかなか画期的なことです。例えばビタミンCは体内の活性酸素という物質を壊すことによってガン予防に役立つといわれていますが、これはビタミンCが直接活性酸素を壊すので、ビタミンCの濃度を保つには一日何回も摂取しないといけません。ところが、ブロッコリーの芽は体にもともとある解毒メカニズムを活性化するので、効果持続時間が長いのです。なんと3日以上も続くそう。ブロッコリー研究者のアメリカの医学者がおっしゃるには、「ガンになる危険率を半分に減らすには、ブロッコリーの芽を1週間に合計で25グラム、2,3回にわけて食べればいい」とのことです。もしこの量をブロッコリーでとるためには毎週500グラムのブロッコリーを食べないといけないことになります。これは食品売り場のブロッコリー3個分ぐらい!気が遠くなりますね。
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