文章:宮下 公美子(All About「介護・福祉業界で働く」旧ガイド)
最近、「高専賃」=高齢者専用賃貸住宅がふえているという話をよく耳にします。はたして、高専賃とは何なのか? 高専賃と有料老人ホーム、ケア付き住宅は違うものなのか? 問題点も含めて紹介します。
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【規制がなく、玉石混淆状態の高専賃】2P目>>
【高専賃と有料老人ホームはどう違う?】3P目>>
【実態は有料老人ホームの無届けケア付き住宅】規制がなく、玉石混淆状態の高専賃
「高専賃」というのは、「高齢者専用賃貸住宅」の略称。国土交通省が管轄しています。もともとあった「高齢者円滑入居賃貸住宅登録制度」に登録している住宅の中でも、高齢者専用に賃貸している住宅のことを「高専賃」として、登録を促しているのです。
この制度ができた背景には、高齢者の入居を嫌がる賃貸住宅が多く、高齢になると住居探しに苦労するという事情がありました。そこで、「高齢者の入居を拒まない」賃貸住宅には指定機関に、住宅の戸数、構造や設備等を登録してもらうことで高齢者の住居探しを支援しよう、とスタートしたのが「高齢者円滑入居賃貸住宅登録制度」。
その中で、前述の通り、高齢者のみを対象に賃貸している住宅は、高齢者専用賃貸住宅として、一時金の概算額、食事、入浴、掃除等のサービス提供の有無など、さらに詳細な情報を登録してもらう、というわけです。
これは賃貸住宅として登録してもらうだけで、広さや設備、付帯サービス等について、登録上の条件はありません。そのため、高専賃には実にさまざまなものがあります。
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| 高専賃は民家改造のようなところから、グレードの高い有料老人ホームのようなところまでさまざま |
50平方メートル以上ある広い住宅から、15平方メートル程度のワンルームまで、広さはいろいろ。入居金も、0円もあれば数百万円というものもあります。付帯サービスもさまざま。一般賃貸住宅同様、住宅機能だけのもの。緊急時に管理者が駆けつけてくれる緊急通報ボタンが各戸に付いているもの。入居者用の食堂があり、食事の提供があるもの。訪問介護事業所を併設していて、介護サービスを受けられるもの。診療所を併設していて、健康管理を行い、急病時に対応してくれるもの。掃除や洗濯などの家事サービスの提供があるもの。どのようなサービスを提供するかは、各高専賃によりまったく違うのです。居室としての質も、付帯サービスの質も、無条件の登録制であるが故に、残念ながらほとんど保障されていません。
高齢者向け住宅の認定や啓発活動を行い、高専賃のリストをホームページに掲載しているある財団法人でも「残念ながら、高専賃はまだ玉石混淆状態。リストに掲載されている中で、登録内容と極端に違うなど指摘を受けて実態調査を行うこともあるが、なかなか把握するのは困難」とのこと。
そのため、入居してみて「こんなはずではなかった」という思惑違いのトラブルもすでに多発しているようです。
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